その、時々ぴちぴちピッチのギリシャ語版の歌とかをここで紹介したりして、アニソンでも歌詞とかもあんまりちゃちじゃないし、素直に聞けると思っている。
大体に歌の内容がダイレクトだというのは思います。どういえばいいのか、素直というのか。高らかに肯定するとでも言えばいいのか。
ギリシャ語で「私はあなたを愛している」に該当する言葉は
σ’αγαπώ(サガポ)
と言います。君が私を愛してくれているは
μ’αγαπάς
(マガパス)です。αγαπώ, αγαπάςが私は愛している、君は愛しているという動詞の活用で、目的語が動詞にくっついて省略された形ですね。
ギリシャ語の歌でサガポはよく出てくると思います。歌の歌詞にもはめやすい。だけど、なかなか日本語ではそういうことは歌詞にはしにくいわけです。
さて、自分が子供のころ、「思いでボロボロ」という歌がヒットしていて、テレビをつけると歌っているから、われわれ子供は勝手に覚えて無邪気に歌ったりするわけですよ。
ある時親が「それで、あんたその意味の歌分かってるの?」と聞いてきました。わかりませんよね。
「あれは要するに旦那さんが浮気して帰ってきて、口紅のあとが口の周りについてるから奥さんにわからないように洗い流しているんだよ。」
みたいなことを教えてくれたんです。へえ、そういう歌なんだ!
自分が子供のころのレコード大賞で、「夜空」とか「北の宿から」とか、大ヒット曲なんてものを考えると、まあ、ややこしい歌ばかりです。素直に恋愛成就しました、なんていうのはもってのほか!
「着てはもらえぬ セーターを 寒さこらえて 編んでます」
とか、ちょっとその光景を想像するとぞっとしません?せっかく編んでるんだからいつか着てもらっちゃだめなの?
以前に惚れた相手に振られて未練たらたら、そのうち化けて出てきそうなそういう内容の歌ばかりのような気がします。
子供の時に散々「昔恋愛して降られた相手に未練たらたらソング」を繰り返し聞く、というのはあんまりよくないことのような気がしてきました。不倫したり失敗したりするのが当たり前!みたいなことばかり考えて生きててもしょうがないじゃないですか。
今はポジティブな歌も多くなったかもしれないけど、日本人のメンタリティとしてそういうのがあるのかもしれない。あんまりよくないと思うなあ。