6月ぐらい、この辺りの地方では笹巻とよぶものを作った。
違う土地の方に食べていただいたら、おいしいと言って頂いた。それで、どういう風にしてこの味なのか質問を受けた。
一通り説明するだけで大変だ。
笹巻、世間ではチマキと呼ぶものだが、中身はコメではなくて団子である。団子なのだけれど、一般の団子にはうるち米が混ざっているが、これはもち米だけを挽いたものだ。
挽いた粉を溶いてこねたものを山で採ってきた熊笹に包む。笹のまんなかの柔らかい葉で包んで柄をつけ、それをさらに数枚の笹の葉に包んでむすぶ。なべでゆでて食べるのだが、たくさん作っておくと干しておいて時々ゆでれば長持ちして、お盆ぐらいまで残っていることもある。
さらにこのコメだ。別にもち米ならなんでもいいわけだが、私の家のもち米は、やしろといわれる品種だ。山陰のもち米の品種で、味はいいのだが、倒れやすいというようなことが問題で県は別の品種を奨励している。作っている農家は少ないが、餅にしたときはきれいで味がいい。さらにこの田んぼの土の質がどうで、天日干してあるからどうで・・・ということになる。
笹は笹でどういう巻き方だとか、どこの山で採るとか、いくらでも薀蓄があるわけだ。
そういうものを数としては数百本作る。こんなもの、買って食べられませんよ、なかなか。
そして、多分この同じ物を作るのはこの地方だけだろうと思う。
京都にはヨモギ餅の細長いチマキがあって、祇園祭なんかで売られている。聞くところでは新潟辺りではコメを笹に入れて蒸す類のチマキがあるという。中華料理でも出ますね、味付けご飯のチマキが。
何かひとつのやり方でも、この地方でこれだけあれこれのノウハウが蓄積されている。他の地域でこのやり方はどうやっているのだろうと思う。そこにはこれはなくて違うやり方があるに違いない。地域間で交換留学生ではないけど、若い人が行き来したらどうかとは思う。お互いそれが珍しいものだとはわかっていないわけだ。
新潟のチマキは、もち米を笹に入れて蒸しますが、味はついてません。
甘いきな粉を付けながらいただきます。
あめさん、こんにちわ。
親戚のものが新潟にしばらくいたことがあって、そのものからコメを入れて蒸す類のちまきがあると聞きました。
当地方の笹巻、だんごですが、これも私のところでは砂糖醤油なのですが、場所によってはきな粉をつけて食べるそうです。多分宍道の辺り?とか。
同じ日本海側だから、似てる部分があるんでしょうか。新潟は、団子だとヨモギ団子に餡子で、笹団子になります。
いろいろ調べると楽しそうですね。
楽しいです。
というか、私自身ずっと郷里を離れていて、今年何十年ぶりに笹を巻きました。山に笹を取りにも行ったし、近くの公民館で農家の皆さんが売り物の笹巻をこしらえているところに出くわしたり、郵便局が笹巻を取り扱っている広告も見ました。
笹は殺菌作用があり、粉を包んでゆでても溶けないということもあり、何から何までどうやってこの文化なり技術なりが発展したのか、不思議なことばかりです。
山に行くと、最近は農村が高齢化していて、荒れています。草が刈ってなくてくまが出たりします。色々考えますね。