ディレクションというのは一日一年法(プログレッション)の星がつくるアスペクトのことである。
たとえば、生まれた日に金星が蟹の15度にあって、太陽が双子の25度にあったとする。一日で太陽は大体1度進むから、20日後に太陽は蟹の15度に達する。このときに、プログレッションの太陽が出生図の15度に重なる。
これは20歳のときに結婚や恋愛のチャンスがあることを示しており、私の鑑定では
P太陽合N金星
などと書いている。
太陽、水星、金星、火星、ASCなどがディレクションの主役であり、1年に2度以内で動いていく。木星以遠の惑星は一日一年法で運命を見るには動きが遅すぎる。
月だけは、1日で12度あまり動くため、結果的に月ごとのイベントを予測するために使用する。月のディレクションをセカンドディレクションという。
一方オーブというのは、惑星が、これならアスペクトを形成していると判断してもいい、角度の上で許容される誤差のことである。一般的にはプログレッションでは1度以内といわれている。出生図などでは数度のアスペクトが認められており、分離のときのほうがオーブは大きくてよい。
このプログレッションで1度以内というのは、太陽や多くの惑星の場合、正確に形成される日の前後半年、合計1年ぐらいの期間と考えることが出来る。月の場合は前後半月で1ヶ月ぐらいということになる。
しかし、実際には、ある人のある運勢というのは、おそらく複合的に判断されるべきものだろうと思う。
たとえば、ASCが新しいサインにはいるというような大きな変化がある。P太陽とN金星あるいはP金星とN太陽がアスペクトがある。P月やあるいは他の惑星が出生図中の複合アスペクトを刺激する。
こうしたあれこれの判断の後、あなたにはこの時期にこういうことが起こったのではないでしょうか、あるいは起こるのではないでしょうか?ということになる。各々の指標があたらないというわけではないが、多くの指標が起こる事象を指し示しておれば、より確実にそういう時期を推論できる。
さらに、結婚しました、あるいは結婚せずともパートナーができました、あるいは就職しました、入学しました、というイベントであった場合、そのイベントはその後しばらくの期間影響を及ぼす。
あるいは、そこで、数度のオーブというものが現実味を帯びてくるのではなかろうか。つまり、たとえばASCのような重要な指標が人生の変わり目に当たっていて、その前後に重要なイベントを示すディレクションが形成されていれば、そのイベントは数ヶ月・数年にわたって影響を及ぼしており、所謂星の上の角度上のずれであるオーブに相当しているはずなのだ。
が、これも仮説であって検証しなければならない。