占い師が、自分の占いに対して責任が取れるか、と聞かれてNOだと答えるという記事を見た。
私は正直、それではどうかなと思いますね。
料金をいただいているわけですし、占断結果は書面で残して、「あいつはあのときこういうことを言った」とわかるようにしておきたい。ある程度の責任があると思います。占断内容にもよります。たとえば「あなたは優しい性格です。」とか、そんな占いならどうか知りませんよ。だけど、やはり人は悩みがあって具体的に内容を聞きたいのです。今転職して大丈夫だろうか。この人は信頼できるだろうか。それに対して、できれば3週間後に新しい職場が決まるよ、と言ってあげたい。
以前ある方が、「占いというのは他人の人生に介入する仕事なのだ」と仰っていました。そうだと思うのです。占い結果が出たことによって、人はそこからの行動を変える可能性がある。
あなたは何年以内にこうなるでしょう」みたいな答えが得られたとするなら、少なからず依頼者は期待するのです。そうなるか、ならなかったとしても少なくとも似た出来事が起こって、初めてその占いは価値があったと言えます。逆に苦い経験もあるでしょう。インターネットの自動占いみたいなところに「3か月以内に素敵な人が現れます。」などと書いてあったら、それは起こってもらわないと困りますよ。そういう類のことが書いてあるんだよなあ。そして大抵外れるよ。運命の日付、みたいなやつはすごく期待するんだけど、やっぱり駄目だよ。
ただ責任といっても程度というのはあると思うのです。
私は失せもの占いをして料金を頂戴しています。物がなくなるということはしょっちゅう起こり得る。しかし、たとえば爪切りか何かが見えなくなって、占いを依頼して銀行にいってわざわざ1000円ほど料金を払うかどうかというと、利用者は払わないと思う。利用者は、個人的にとても思い入れがあるとか、何万円何十万の価値がある場合に、1000円払ってみようかと思うかもしれない。逆に3億円の価値があるとわかっているものを、1000円で占おうとは普通は考えないと思う。その場合何十万か百万か探偵事務所や弁護士に頼むかもしれない。
たとえば離婚するということになったとする。いつ離婚するのか。離婚できるのか。あるいは仲直りして夫婦でやり直したほうが良いのか。
そのときに、法律上どういうリスクがあるのかを確認したいと思うと、たとえば都道府県の弁護士会館の相談を依頼すると、離婚に限らず単なる相談ということで5,000円ほど取られます。本当に依頼すると裁判の価値を金額に置き換えて、その金額の何割かをもらう、という形で弁護士費用が掛かります。行政書士さんに単に書面を代書いただいた場合でも、数千円から数万円の費用が掛かります。
しかし、多分場合によっては占星術・占いによって自分はどうするか決める重要な側面を決めるために、おそらく一般的な料金としては数千円だろうと思いますね。その重要性が、行政書士さんや司法書士さん、弁護士さんと比べてどうかということですが、場合によっては弁護士さんに相談するより大きな相談をすることもあると思う。というのは、弁護士に相談するときには、すでに離婚するとかしないとか決断した後ですからね。今離婚すべきかどうか、というのは弁護士さんには聞けないもの。
仮に3,000円払って相談をして、それによって600万円の損失があった、という場合占い師はいくらの責任を負うか、ということになると思います。その場合、現実的には3,000円以上の責任を負うことはできないと思います。ただ、相当難しいケースも存在するのは確かです。主人に女がいるか、とかいう質問だってあり得るんだし。