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危険なインターネット占い (2)

もし、生年月日を入れて何らかの回答を出す、ということであれば、そこにはインターネットでは当然一種の規則が必要になる。プログラムや数学の世界でいう関数(function)ですよね。

「1970年3月1日,女,既婚,つきあっている人なし」と入力すると「あなたは~です」という回答が表示される。そこには一定の規則がある。そして、出てきた答えが、受け取る人にとってあまり外れないような仕組みということになると、生年月日による何らかの性格判断をしなければならない。そしてそれは多分東洋の占術によるものでしょう。四柱推命などで使われる五行生剋の判断の基準によるもの、比肩だとか正官だとかそういうものか、九星の判断によるもの、それで9個か10個の選択肢ができる。

本当に占い師に依頼すると、ここで9個や10個の選択肢で答えているわけではない。たとえばあなたがどこかの占い師のところに出向いてお金を払って「あなたは蟹座ですから家庭的な性格です」と答えるだけだったら、あなたは怒るでしょ?「太陽は蟹座で第3ハウス、月は山羊座で第9ハウスで太陽とはオポジション、水星はこうで、木星はこうで、ASCはこうで・・・だから40歳ぐらいの時にこういう類の転機があるかもしれませんね。」そういう自分でやるにはちょっと難しい複雑な判断があればこそ、人に頼む価値があるわけだ。私も特別な判断ができるというわけではないが、たまたまちょっとだけ他の人にわからないことがわかったりする、ということでサービスを提供するわけです。

ただ、インターネットで回答を出すためには、顔の見えない相手に対して事前にすべての回答の文章を用意しておかないといけないという問題がある。問題の木村藤子さんのコースの場合、生年月日から出せる選択肢が多分10個ぐらい。それに男女・既婚と未婚の別・つきあっている人がいるかいないかを加えるから、事前に用意している回答の文章は多分80個ぐらいだろうと思う。そこで日柱のほかに月柱も勘定に入れるということになると、システムを作成する側は800の回答文を用意しなければならないことになる。多分それは現実的な問題として不可能だと思う。システムが出来れば、誰かがそれを動かしてテストするということも必要だ。そこで「この回答文まずいね・・・」と言われて信用を失うようなことはできない。

 

しかし、現実問題木村藤子さんが四柱推命や九星をやっているということはないと思うんですよ。木村さん自身が「じゃあ、今の月柱と依頼者の日柱で見て、この関係になったらこの文章を表示してください」と言っているということはありえないと思う。

 

では、どうやっているのだろうか。

木村さんの著作みたいなものをひっぱり出してきてみれば、それなりの内容が書いてあって、仮にランダムにどこかのページの内容を表示しただけであっても、読んだ人にとっては何かしら訴えるものがあると思う。

「思い込みはいけません」「誰かを許しましょう」「強い意志をもってしっかりしてください」みたいなことは、大方誰にとっても意味があることなのだ。

つまり、おそらく過去の木村さんの指導例みたいなものから、システム側のスタッフが合わせているのだと思う。じゃ、正官で男で未婚だったら、この文章で行きましょう。仮に状況がちょっと違っていたら?しかし、一応占いの根拠があるから「強い意志で云々」と書いてあれば、そんなに大きく外れるはずがないし、その言葉を受け取った人は超有名な指導者木村師からご指導をいただいた、ということになるわけだ。

木村さんはより言葉を伝える機会を得て、人々はそれを利用することができ、会社は業績を伸ばせる。みなハッピーだ。

 

だけど、これって正しいあり方なの?

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