結婚を見るのに土星の相性を見る、というのはイスラムから入った見方らしい。厳格さ、儀式、古いもの、式典、そういうものを表す土星は結婚には不可欠だと彼らは判断したわけだ。
そういう傾向があると多くの占星術師が認めている。つまり、片方のホロスコープと、もう一人のホロスコープを比べたときに、土星と主要な星がアスペクトがある場合、結婚する可能性が高い、ということである。
同時にこれには複雑な意味があって、たとえば土星と太陽の合がある場合、土星の側が太陽の側に迷惑をかける、依存する、困らせる、と言われている。しかし、最終的に利益を得るのは太陽の方である。
実際に結婚というのは双方に、いわば「迷惑をかける」というのはなくてはならないことである。ご両親のところに挨拶もしないといけない、結納もしないといけない、花嫁衣装はそろえないといけない、新居はどうするとか、様々にある。結婚した後も、お互いに「ごめんなさい」と言いながらでないと、多分結婚は成り立たない。こんな優しい人、こんなに愛している、でも結婚できないことも多い。
しかし、実は最近少し疑問を持つようなニュースを見た。なんでもインドネシアのアチェ州はイスラム法を遵守しているらしいが、複数の男女が婚前の男女で抱き合ったり接吻を交わしたりした・・・文面からは婚前交渉があったということは読み取れない・・・不道徳な行いがあったということで、公開むち打ち刑が行われたと言う報道だった。これニュースを見ると動画が上がっていて、むちと言っても皮のしなるむちではなくて、植物の枝のようなまっすぐなもので背中をたたいており、女性が悲鳴を上げていた。
ひょっとすると、イスラムは、結婚前の男女交際が非常に戒められていたから、土星を結婚の星とみたのだろうか。結婚というものは儀式なのだ。社会イベントなのだ。そういう判断なら確かに土星でいいだろう。
とはいえ、100年も前と言えば、キリスト教国でも日本やアジアでも、男女の交際は自由なものではなかったとは思う。
それでも、ひょっとしたら、社会体制によって見る星が変わるというようなこともありえるのではないだろうか。「私たち、事実婚、同棲しています」みたいな人なら、この星が当てはまらないこともあるのではないか?