「決める」のギリシャ語はαποφασίζω(アポファシゾ)で、「私は決めた」ということだとαποφάσισα(アポファシサ)ということになる。通常そのあとに「こうすると決めた」「これを決めた」という決定事項の具体的なことが続く。
ジブリのアニメ映画「耳をすませば」のなかで雫さんが「決めた!私、物語を書く」というフレーズがあるが、文字通り訳せば多分
Αποφάσισα να γράψω την ιστορία.(アポファシサ・ナ・グラプソ・ティン・イストリア)
という訳になる。
しかし、ぴちぴちピッチの中でこういう「決めた!・・・・」というような日本語のセリフの中では、
τ’ορκίζομαι (トルキゾメ)
と言っているように思う。オルキゾは~に誓うということで、中動態だから、直訳すると「私は自分自身にそれを誓う」ということになる。
大体、現在形の動詞で一人称単数、つまり「私が~する」という場合、ギリシャ語ではオメガが語尾になる。何とかオーという形になるわけです。一方中動態・受動態は~ομαι、~オメなどの形になることが多い。
この場面、前にも出したことがあるけど、転校生のリナさんがぶっきらぼうに席を立ったのに対して、波音は失礼な奴だと不快感を示す。しかしそこでるちあさんは
「よし、決めた!私リナとお友達になる」
という。この時のセリフは
Τ’ορκίζομαι, θα γίνω φίλη με τη Ρίνα! (トルキゾメ、サ・ギーノ・フィーリ・メ・ティ・リーナ!)
になっている。
また、ぴちぴちピッチピュアになって、毎回初めの部分で星羅のこころのカケラを集めることを決意するときは、
σου το υπόσχομαι. (ス・ト・イポスホメ あなたに約束する)
と言っている。
多分αποφάσισα(アポファシサ)と言ってしまうと、それを自分で決意した云々というよりは「決めました」と淡々と事実を言うことになってしまうのだろう。一概には言えないのかもしれないけれども、多分ギリシャ語の中で中動態現在形で表現しているということは、自分自身の意志の方向を反映する、みたいなニュアンスがあるのだろうと思う。