ぴちぴちピッチ44話。ココとノエルがガイト城に捕らわれているが、城は海中を移動していてなかなか発見できず、一度城に近づくためにおとり作戦を実行して間近に行くことができたが、結局それもうまく行かなかった。そして、ヒッポが敵方の水妖のユーリと駆け落ち騒ぎを起こすなど、人魚たちの周りも騒がしくなってきている。
こうした状況で、るちあさんは何かやる気を出したようで、冬の寒いさなかに繰り返しガイト城の捜索を試みる。波音はるちあの変化を見て「いったいどうしたんだろう、るちあ」という。
そのセリフなんだけれど、ギリシャ語版のセリフは
Τι μύγα την τσίμπησε την Λουτσία; (ティ・ミーガ・ティン・ヅィビーセ・ティン・ルツィーア?)
です。Μύγαミーガは調べてみるとハエのことで、τσίμπησε(ツィビセ)はτσιμπάω(ツィバーオ 刺す)の三人称単数過去形なので、「刺した」ということ。
「何のハエがるちあを刺したのか」
というのが直訳になります。
ミーガがハエだと分かって聞くと、案外これに似た表現はあちこちで使われている。
Τι (Ποια) μύγα σε τσίμπησε; ティ(またはピア)ミーガ・セ・ツィビセ?
一体どうしたの?(何のハエが君を刺したのか)
何で蜂じゃないんだろうと思ったのだけれど、蜂はμέλισσαメリサと言って、μέλι(メリ)つまり蜂蜜と関係した言葉だ。そうか、あのあたり一帯じゃ蜂蜜を取ったり蝋を取ったりで、蜂は人間と割と仲良くやってる虫なんだ。刺すハエがいるのかどうかはわかりませんが、ハエのほうがたぶんやっかいなんでしょう。