自分でギリシャ語講座なんかおっぱじめちまって、一応テキストらしいものはあるものの、全く未知の言語を全く知らない人に一から教えるということは、いろいろ大変だ。それぞれの資料を、コピーして済めばいいんだけど、それで収まりがつかないこともいろいろある。
ギリシャ語の場合、その文字について、それを聞く人は多分全く未知の文字ではない。学校の数学でアルファ、ベータ、ガンマなどは習うだろう。円周率のパイ、空集合のファイ、角度の勉強で出てくるシータなどはある程度みんな知っている。
ところがギリシャ人が書く文字は必ずしも学校で習う字と同じではない。
たとえばアルファ。学校ではお魚マークみたいに、一本線で書くでしょ?しかし、現代のギリシャ語では英語のAの小文字を書くのとおなじように同じ筆順で書く。丸を書いてから縦棒なんです。
ベータ(ヴィタ)も耳のような形ではなく、英語のbの小文字の筆記体に似た形。
シータは必ずしも閉じないし、ファイ(フィ)も連続で書いていい。
パイ(ピ)は、円周率の時は何か元気の元の字の下がちょっと踊ったように書くように習うのだと思うけれど、全然そんなのは必要なくて、まっすぐ3本線を引けばいいのだ。
それで、いろいろ考えたんだけど、やっぱり4本罫線の入った練習帳みたいなのをつくるしかないですよね。アルファベットを一から書き順を習います、みたいな。
問題は、こういうことも、実際には大学でギリシャ語を教えてる先生方もほとんど知らないということ。自分が学生時代ギリシャに行って、多少現代語ができるようになって帰ってから、学校でギリシャ語を書くと、先生は「何かほかの言語を見てるみたいだ」とかいうんですよ。でも、やっぱりそれは少しおかしいよ。