少し前に、10歳の少女が父親による虐待で死亡するという事件が起こった。役所、学校、教育委員会はそうした危険性を把握しながら、子供に対する十分な対処ができなかったとして問題になった。
さて、占星術師というものは、こうした問題について、多くの「ストーリー」の事例を持っていると思う。
どういうことかというと、たとえばASCが蠍の人は往々にして第4ハウスが水がめ座になる。第4ハウス水がめ座の人というのは、家庭に対して違和感を感じている。そして、多くの場合早くから実家を離れて暮らす。
あるいはASCが獅子の人は、往々にして第4ハウスが蠍である。このケースでは家庭で厳しくしつけられることが多い。
第4ハウスにある星によってもそうした事例がある。第4ハウスに火星があれば、喧嘩のようなマイナスのことも含めて、にぎやかな家だったということが言える。
そして、実際に占星術で看板を出している人というのは、多分そうしたそれぞれの場合についての事例を何例か知っている。それは誰かが本に載せた有名人のものかもしれないし、自分自身や周りの人のことかもしれないし、クライアントのことかもしれない。そういうのがあるから、依頼人からホロスコープ作成を頼まれたときに「ああ、この人子供のころヤバかったかもな」みたいなことが言えて、クライアントさんからも信頼されるということになる。
すると、こういう児童虐待とか、家庭の問題が起こった事例を見た時に「この星の配置なら、なるほどこうだ」というものがあるだろうと思うのです。
ただ、占星術師の方は、そういうストーリーがあったとしても、必ず悲しい結末をたどるとはいえないし、誰もが同じように解析できるというわけでもないし、児童相談所が介入していいという判断が下せるわけでもない。
占星術の場合、難しいんですよ。たとえば科学の場合、10例中8例が該当していれば、間違いなく関連性を疑うでしょ。占星術だと2例外れただけで「全然ダメ」という烙印を人は押してしまう。それ、科学的でないとわかってます?
それで、占星術をいつまでも日陰者の商売ということにしておかないで、たとえば児童福祉に実際に携わっている人とか学者さんとかで、一応の占星術的な知識があって、「一応、この子は気を付けて見ておかないといけないね」みたいなことがあってもいいかもしれないと思います。