池袋で高齢の元お偉いさんが事故を起こし、二人を殺した。このこと自体は許されるようなことでも何でもない。
しかし、一方で「だ・か・ら、高齢者は免許を返納すべきだ」という議論が持ち上がっている。それはどうだろうか。
現実的な問題として、高齢者の事故の割合というものは、20代の人の事故の割合より低い。事故の数は10代の人たちが圧倒的に多く、次に20代、働き盛りの30代~50代の人に比べれば60代以上の人たちの事故は多いが、事故を起こしているのは数字の上では若者である。
だがまあ、年とともに動体視力とか反射神経、判断力というようなものが鈍るということは、それはそれとして事実だ。
私の周囲の人で、腰が曲がってよろよろのお婆さんみたいな方が、ずっとバイクに乗っていて、畑で取れた野菜を出荷したり、買い物に行ったりしていた。しかし、あるとき高齢を理由にバイクをやめた。すると、この人はみるみる衰えた。詳しい話は直接は聞いていないが、「いや、この人認知症大丈夫だろうか」というような言動が出てきたりした。バイクをやめて、歩いたり自転車で移動するかというとそういうわけでもないのだ。単純に社会が狭くなり、台所と外のわずかな畑がお婆さんの生活圏になった。面白いわけがない。
そうすると、たとえば、地域にもよるだろうが後期高齢者75歳以上の人で、免許をもって日常的に車を運転している人と、そうではない人の、認知症の罹患率というようなものは、ちゃんと調査すれば統計が出せると思うのだ。
あるいは他の数値でもいいだろう。実は車に乗っている人の方が特定の病気にはなりにくかったりするかもしれない。
もし、高齢者が車に乗っている方が健康だというデータが出るとすれば、事故の数も大して多くない、健康にはよい、車に乗る楽しみというものを高齢者から取り上げることには何の意味もないことになってしまう。
で、これは「高齢者は反射神経などが衰えるから事故が増えるはずだ」という思い込みの元に、その線に沿ってデータを収集するからそうなるのである。一つのベクトルでだけデータをとるから、当然それにそったデータの結果は「YES」ということになってしまう。
結局それがダメだと思うなあ。
スロープにすれば身障者に優しいというのもそうだ。子供の発育を阻害しているかもしれないじゃないか。
血圧が低ければ脳卒中が減る。確かに脳卒中は少なくなるかもしれないが、がんが増えるかもしれない。
だから、ワンベクトルのデータは信じちゃダメだということだと思う。必ず違うベクトルからも調査をして、現場を見て判断しなければ。
ベクトル1方向は危険、というのは心の底から思います!
老人の運転も、本人や周りが危険と思うならやめるべきだし・・いや、というかそもそも適性検査を厳格にして若くとも向いてない傾向の人には取らすな!とも思いますが。
年齢じゃない、個人の適性だ、とすごく思うんですよ運転て。
まあまもなく自動運転が標準になれば誰でも安全にできるようになるのでしょうけど。
あめさん、こんにちわ。
適性検査を厳格にする、というのはいいと思います。
自動運転って、どこまで行くんでしょうかね。まだ完全に信用しきれないところがあります。