いつも行く温泉に特別指名手配犯のポスターが張り出されていて、その中に小原勝幸さんの姿もある。
この事件については黒木昭雄さんなどの調査で、ほぼ小原さんは冤罪で、事件の被害者としてお亡くなりになっているということで、間違いないのだろうと思う。ただ警察関係者の身分や名誉を守るために、特別指名手配犯として全国に張り出される不名誉を負った。
そして黒木さんもお亡くなりになった。自殺か他殺か知らないが、この事件のことは大いに関係があっただろう。
昨日大阪吹田の交番が襲撃され、警察官が意識不明の重体、拳銃が奪われるという事件が起こり、私もそのニュースを色々見た。
事件が起こるまでは、隣駅で警官をおびき出す電話をかけ、そこから走ってターゲットの交番に8分ほどの間に到達し、3人いた警官が2人先に出発した後1人後からバイクで出発しようとしている警官を襲撃し、手際よく足や防護服の間から胸を刺して拳銃を奪い、しかも警察に通報の電話をしている。もしほんの少しこの警官が出発していれば、隣駅から駆け付けた犯人は追いつくことができなかっただろう。何かが一つ歯車が狂っていれば、この襲撃は成功しておらず、ほとんど奇蹟のようなスケジュールを縫って犯行が行われた。
そして襲撃が終わった犯人は、驚くほどのんびりと買い物をし、山の中へ入っていった。
この男はまるで何かに憑かれてでもいたかのように思える。実際精神病らしいが、まるで見えない力に操られるように最高の効率で犯罪を粛々と実行しているのだ。
こんな襲撃があり得るなら、警察はどうやって対処すればいいのか。警察は過去の交番の襲撃事件を経験して、何もしていないわけではなかった。防刃チョッキを着るように規則を決め、被害に遭った警官も着ていた。ピストルのケースも奪い取られにくいものに順次変更している最中だった。
で、自分はふと小原さんのことを思い出した。
無実の罪で辛酸をなめた霊魂が、精神異常者を導いて交番を襲撃させた?まさか。でも、まるでそんなことが起きたかのように見える。
メディアは警察のきれいなところしか紹介しない。どんな場合でもそうだが、我々は「こんな無実の人が被害に遭って」と言いたい。でも、ひょっとしたら「警察なんてそんなものだ」と思っている人もいるかもしれない。
そのときに、やっぱり身を正し、無念の人のことを顧みるべきだと思う。
社会的にどういう手段が正しいのかわからない。だが、そろそろ小原勝幸さんの名誉回復を行ってもいいのではないか。いまだに何百キロも離れた私の町でも特別指名手配犯のポスターが張られている。無念だろうと思うんです。
こいつがいなければ起きなかった殺人事件