いま、この辺での大手である山陰合同銀合・・・島根県は都市銀行がない県であるからして・・・も、さかんにオンライン通帳への移管を勧めている。
いいんですよ。オンラインで便利だろうと思うし、銀行側はやはり通帳を発行したり印刷したりする機械に多くの金を使っている。その分の経費が浮けば、確かに大幅な経費削減になるだろう。
ただ、一つだけ危惧するのは、証拠がなくなる可能性があるということ。
現在、銀行側は10年間は通帳の記録を保存している。私が通帳をなくしても、8年前にある支払いをしたかとか、何らかの金を受け取ったかとか、そういうことは銀行に問い合わせればわかるのです。
時々トラブルでそういうことがあります。
「この保険金を受け取った覚えがない」
「いや、確かに払った」
「いや受け取っていない」
こういう争いがあっても銀行に問い合わせればわかる。「ほら、2012年X月XX日確かに記帳されているじゃないですか」
しかし、10年以上前になるとわからない。個人で紙の通帳を保管していればわかるかもしれない。だが銀行側は破棄してしまう。
たとえば、結婚してご夫婦がそれぞれの貯金から金を出して新居を購入したとする。十数年経って、残念ながらこの夫婦はうまく行かなくなり、離婚する羽目になったとする。そのときに、紙の通帳がないと、旦那がいくら出したのか、奥さんがいくら出したのか、わからなくなってしまうのです。
いやまあ、離婚とかそういうことはないに越したことはないです。事故にも会わないで済めばそれが良い。だけど人生何があるかわからないじゃないですか。オンライン通帳にするなら、その辺は銀行によく確かめておく必要があると思う。