ここの島根一区では細田博之さんが勝った。
亀井さんは、善戦したと思う。細田さん9万票に対して、亀井さん6.6万票。7割以上取った。ある意味結構肉薄した。
島根県は自民王国で、確かに様々な自民党支持の組織がある。
たとえば農協もそうだろう。建設業関係もある。商工会にもいつも自民党の県議さんがあいさつに来る。
だから、自民は崩れないだろう、やっぱり細田さんは強い、と多くの人が思ったかもしれない。
しかし、自分は今回の選挙報道を見ていて、ひょっとしてそうではないのではないか、と思った。
NHKが年代別に出口調査をしたところ、60代では大差というほどではないにしろ亀井亜紀子の支持率のほうが細田博之を上回っていたのだ。逆に10代では圧倒的に細田支持が多かった。これは他の新聞社の調査でも大体同様の傾向が出ている。
つまり、組織で引き締めできる層では、亀井亜紀子側のほうが優勢か、少なくともトントンぐらいには持っていっていた、と思えるのです。
いい年齢のおっさん、おばさん、こうした人が「島根県、これダメだよね。何とか変えないと。自民党はやめようよ。」と思っていた可能性が高い。
ただ、60代ごろの人というのは、戦後10年~で生まれた人ですよね。戦後の教育で、自虐史観、「戦争は悪いことだ」「あの戦争は間違っていたんだ」「平和憲法がいいんだ」ということを叩きこまれた世代だと思う。
自分は親戚に共産党の人がいます。そういう人と話をしているときに、当然のように平和が守れない、沖縄の基地がダメだ、安保に反対しなければ、ということを仰います。それが当然共感が得られることだと思っておられる感じなんです。
しかし、今の若い人は自虐史観は間違っていたと思う人、いわゆる「ネトウヨ」さんの割合が高い。コロナで経済も厳しいし、アベノマスクとかなんとか政府に反発はあったとしても「でも、立憲民主党と共産党に任せてしまったら、尖閣や竹島の問題はどうなるんだ?」と思っている人が多かったのではないか。そういう層が、結果的に、組織とかそういうことではなく、自民党に投票した。
つまり、細田さんが勝利したのは、組織票のせいではなく・・・いやいや、組織票はゼロではなくて、ちゃんと機能したとは思うのだけれど、それ以上に、安全保障とか外交の問題を重視した若者の「風」のほうが強かったからだと考えたほうが、数字があってるような気がするんです。
もし野党候補が、維新とか国民民主党だったら?ひょっとしたらわからなかったかもしれない。逆にその場合には今までの共産党・社会党系の票は集まらなかったかもしれないから、勝てたとは言えないかもしれないが、色合いの違ったものになったかもしれない。
島根県に変化がなかったわけではないんだろう。今後、何かの風の吹き回しで、自民党候補が負けるようなことも出てくるのかもしれないと思います。どうでしょう?