前にエフェメリス(天体暦)データから、プログレッションの表を書き出すプログラムを作ったことを書いた。
●一定時間で星が動いたとき、ある点を通過したか。
●ある星とある星の中間点はどこか。
こんな簡単なことを計算することがパソコンでは以外に難しい。いや、よく考えれば別に難しくはないのだが、独特の世界がある。
たとえば、下の例である。
まず、青丸に注目してほしい。
双子10度と双子20度の中間点はどこだろうか。双子10度はおひつじ座0度をゼロとして考えると、70度、双子20度は80度だ。
(70+80)/2=75、だから75度だ。
だが、これは人間が目で見て近くだと分かっているから75度で済んでいるので、本当は違うかもしれない。
たとえば、これは20度のところにあった星がぐるっと10度まで一周したのかもしれない。もしそうだとすると、射手の25度が中間点になる。
ある星がこの区間を双子10度から20度まで動いたと考えて、双子の25度を経過したかどうかは、実は分からない。だが、コンピュータで「通った」と判断させる場合には、向きがあるのか(巡行なのか、逆行なのか、相性のようなケースで考える必要はないのか)、向きがないなら、十分短い時間か(1日に天空を半周するほどの天体はない。ASCとかハウスは違うが。)、というようなことを考えないといけない。
また緑の丸を見てほしい。ある星がみずがめ座の25度から獅子の5度まで移動した。水瓶の25度は数値で表すと325度だ。獅子の5度は125度だ。
すると、
(325+125)/2=225・・・蠍15度
でいいかというと、当然間違いだ。
更に10進法で表している数値と、60進法で表す数値と、度数の場合は両方ある。
世界のどこかには、多分こういう数値を計算できるクラス、出来合いの型のセットなどがあるのだろう。だが、普通のプログラム言語、CだのBASICだの、あるいはエクセルなどには、そういうものはない。
占星術師はまずそういうものから作るべきではないか、という気はする。ばらばら・それぞれのソフトがよく出来ているというのは本当だけど、ある言語で、この数値を叩き込めば必ずある結果が返ってくる部品、というゆなものがいるのではないかと思う。