開発もやって農作業もやって、なかなか忙しい。
それでまた、余談なのだけれど、ちょこちょこ作っているチーズがいろいろと好評だ。例の、牛乳1リットルを温めてヨーグルトとレモンを入れて布で濾すだけのチーズなのだが、たまたま来た人に味見してもらったりすると「あれが食べたい」という人がいる。
先日来た人が、あれが食べたいと仰っていただいたのだけれど、その人はどういい間違えたのか、「カマンベールが食べたい」と仰った。カマンベールと言ったのは単なるいい間違いで、どちらかといえば固めのクリームチーズみたいなこのチーズのことだとは思うのだ。
しかし、それを聞いてからしばらくもやもやして、その後ふと思った。本当にカマンベールはできないのだろうか。
自分が理解しているカマンベールの原理はこういうことだ。
カマンベールは白カビチーズである。
この白カビはチーズの表面に繁殖して、表面が白っぽくなるわけだが、このカビは発酵が進むにつれて内部のチーズをとろっとさせる作用がある。そのためカマンベールの切った時の中の柔らかい味わいと香りが出てくる。
だから、要するに白カビを手に入れて、それをチーズを作るときに混ぜればいいわけだ。
本当は白カビはそれはそれで売っているところはあるらしい。だが、それ買うのも大仰だと思った。
そこで、物は試しと思い、明治の北海道カマンベールを買ってきて、水分を絞ったチーズの上に載せて、冷蔵庫の中にほったらかしておいた。多分2週間ぐらいになる。
写真の四角く茶色っぽい固まりが、市販のカマンベールの表面を切って乗せた部分である。が、よく見るとチーズをのせていない表面も少し色がついている。食べてみると、飲み込むときにかすかにカマンベール独特の香りのようなものがする。
ということは、繁殖成功ではないか?
このままおいておいたら、多分いい感じになるのではないだろうか。