今稲刈りの最中です。昨年、一昨年台風でハデが倒れたので少し工夫をしています。ただ、今年は雨が続くのがとてもしんどい。
さて、私のところは基本的には自家消費、つまり自分のうちで食べる分と、あとはお得意様やインターネットの販売ということにしていますので、あんまり関係なくて済んでいるのですが、農協のほうからはコメの買取価格が例年より1000ぐらい安くなるという連絡が来ました。
コロナ禍で、飲食店の需要などが伸びず2020年度米が余っているということのようです。
今送られてきた仮単価一覧表では、通常のコシヒカリ一等米が雲南市で5300円、二等米が5000円、三等米が4500円です。ちなみにハデ干し・天日乾燥の場合これよりも200円ぐらい高く買い取ってもらえるようです。
米の等級は水温に左右されます。私の地域では一生懸命作っても一等にならず大体二等米です。
一方、雲南市では市報に、標準農作業料金が掲載されます。
では、仮にこの標準料金で1反当たりの経費を計算してみましょう。大体1反は10aで、1反当たりの全国での平均的な取れ高は535kg、約18袋ということになります。肥料農薬は概算で1万円としました。
そうすると、コシヒカリ二等米が18袋できたとすると、一反当たりにつき14500円のマイナスになるんです。
今年は、ことさら買取価格が安いとして、じゃあ6000円だったとしたらどうか。販売108000円ですから、3500円のプラスです。
上記がすべてというわけではありません。たとえば上記には運送料が入っていません。軽トラを所有していれば他人に運送してもらう必要はないですが、逆に軽トラの値段やガソリン代は必要になるでしょう。また草刈りなどの費用はもちろん入っていません。草刈り機、替え刃、ガソリン、オイル、そして朝や休みの日に田んぼの周りの畔の草を刈る手間などはかかるでしょう。
所有する機械や設備によっても費用は変わります。私のところでは、コンバインではなく、稲刈りしたものを稲架にかけるために束ねることのできる稲刈り機であるバインダーを使って刈り取りをし、運搬車でハデまで運んでかけ、乾くとハーベスターという機械で脱穀をします。これらの機械は新品だったり中古だったりして、とにかく経費の上では減価償却しています。その分コンバインの依頼費用などはかからないことにはなります。あるいはハウスを所有していて苗を育てたりする場合もあります。農機具小屋、ハデにまつわる費用も別ですね。
あと、山間地ではイノシシをよける金網や電柵が必要になる場合もあります。
自分は、たとえば何町とか、とてつもなく広いエリアで田んぼを作れば、ある一定の広さで損益分岐点がプラスになるんじゃないかと思って、営業に来る農機具屋さんなんかに聞いたりしましたが、逆に何町も耕すような大きなトラクターということになると数百万円もしたりします。田植え機、コンバイン、それぞれ結構な値段がしますから、すごく儲かる、という感じでもないと聞きました。
これでは、みんな農業をやりませんよね。このあたりでもどんどん耕作放棄地が増えて行っています。いかに北海道や新潟の大きな農家さんが頑張って作っても、小さな兼業農家さんは儲からないからみんな田んぼをやらなくなって、ある時にパタッと農地が減少して米が自給できなくなるんじゃないか、と思います。
これ、心配してました。私の地元でも、手入れされていない元田んぼ、みたいなのがあったり。
今は、もうできない、ってお宅の田んぼを取りまとめて代わりに作ってる農家さん、というのがたいていどこの地域にもいるようで、元の持ち主さんはそこからいくらかお米を受け取って、他のお米は作った人の収入になるようです。
やはり農業は企業化してしまった方が良いように思えるのです。
個人的にブランド化に成功しているお宅はそのままで、もう70,80代の御年寄りと繁忙期だけ手伝う子供と孫、だけでやりくりしているようなところは厳しい気がします。
あと農協・・・。やる気あるのかな。JAに就職してすぐやめたという、友人の子供が二人います。
若い人が働くのに、まったく魅力がなかったらしい。
前にもコメントしたかもですが、(してないかも)新潟発祥のホームセンター・コメリは、いまや農協よりも農家の味方。
地域によっては農協と提携すらしていて、土日も相談できたり欲しいもの買えたりするので、兼業農家さんには大変ありがたい存在になってるようです。
きちんと収益をあげるノウハウを持った企業が、日本の食を担う、っていうのもありだと思います。
ただ、心がちゃんとした企業が携われないと、モンサントばっかり使用したり、とか国民の命が危険にさらされたりするのかな。
農地貸出しなんかも業務内容に含めたりして、家庭菜園の農地貸出しとアドバイスも行う、とか。
そしたら心配な人は自分で調べたりして家で食べるものを作ったりもできるし。
心あるお金持ち、試にやってみてくれないかなあ。
私はもう少ししたら母の実家の畑で母から野菜作りを教わり始めようかと思ってます。
田んぼは手放してしまったいるので、畑だけなのです。
ちっちゃな耕耘機の使い方をまず叔父から習おうかと。ヘビが苦手なので、そこがネックです(笑)
あめさん、こんにちわ。
農協のことは書こうかなとは思ったのですが、私自身が内実を知らないので、あんまり突っ込んだことをいうのはやめておこうと思いました。
組合員のための組織ではないのか?みたいな。
事情はどこも同じようですね。
企業化も、自分もまだ実体がわかっていません。戦前の土地の集中を解消するために、GHQが農地解放を行った結果が、今の状況なのだと思いますが。
でも、今の状況が続けば、否応なく一定の人のところに土地は集中していくだろうと思います。最後に利にさとい人がガバっと買い占めて何か始めるのか。