裁判所にいくと、壁にその日の予定を書いた小さな紙が貼り出されている。家庭裁判所の場合は、上から誰それの離婚、誰それの離婚、誰それの離婚・・・離婚、離婚、離婚だ。少年問題とかもあるけれども、圧倒的に離婚が多い。
それでも、離婚のうち裁判所に持ち込まれるものは調停・裁判含めて10%ほどだ。実際に裁判になるものは100件に1件というような割合で、それも審理を尽くして判決にいたるものは少なくほとんどが和解する。それでも、調停で決まったものであっても、決まった内容は確定判決と同じような効力を持つ。
裁判をするときに相手が浮気をしたというようなことだと、慰謝料として300万ぐらいの要求になるケースが多いようだ。すると弁護士の報酬は300万の何割か、というような計算になる。
しかし、双方に慰謝料のようなものが発生しない場合はどうか?
その場合には裁判の価格というのは160万ぐらいということに決まっている。その最低額でも弁護士の取り分は数十万になる。たとえば、夫婦の争いが50万や80万では離婚で裁判する価値はないということになってしまう。庶民には裁判は高すぎる。
離婚で法律相談というのだけれども、実際には9割の人が裁判所のやっかいにはならない。ほとんど裁判所の世話になるということはないのだ。
夫婦喧嘩は犬も食わないなどといわれる。夫婦の問題は実に微妙だ。行状だけ見れば、明らかに一方に非があるケースであっても、どちらかがどちらかに惚れているとか、ややこしいことがいくらでも起こり得る。
だから、現実にはよほどひどいケースを除けば、法律はあんまりわれわれの期待に応えてくれないと思う。
本当は法律に頼るまでの部分を相談できる仕組みがいるとは思う。だから、占い師の仕事があるという側面はあるわけだが。
実際占星術などの場合、聞かれなくても男女の状況を言い当てることが期待されている。それだけの技術であるべきだし、有益なものであるべきだと思う。