やっぱり漫画でも聞いてみるもんだねえ。この間言っていた「ぴちぴちピッチ」のギリシャ語版で主人公のルチアさんが
Δόξα τω θεώ! (doxa to theo)
と言っていた。友人のリナさんが一旦断りかけたモデルを引き受けなおしたのを隠れてみている場面だった。
何が面白いのかというと、Δόξα τω θεώというのはGroly to the God、光栄は神に帰すという言葉です。
祈祷の中では頻繁に出てくるし、聖金口イオアンが臨終前に「Δόξα τῶ θεῶ πάντων ἕνεκα」と言ったというのは多分ギリシャ人は知っていると思う。
ジャパニメだけど、日本人はこうは言わないでしょうね。他のヨーロッパ人でも通常の会話の中で「おお、光栄は神に帰す」とは言わないと思うな。いろいろ神様のことは言うのは言うんですよ。オー・マイ・ゴッドもそうだし、ボージェ・モイもそうです。だけど、この表現はない。とてもギリシャチックな洗練された表現だと思う。
それで、日本語のアニメでどういっているのか、調べてみると
「よかったー!」
だった。
実際ギリシャ語の場面的には「よかったー」の場面で使うといえば使うのです。その期待通りになったということを神に光栄が帰すると表現するわけで。
一般にはギリシャと聞いてキリスト教をイメージする人は少ない。だけど、祈祷の伝承によって、隅々にまでキリスト教の概念が浸透している。実はキリスト教の国なんだよね。