いまでこそ、占星術師だというのだから、あれやこれや知りませんとかいうのは恥ずかしいような気もするが、最初から何もかもわかっているわけではもちろんない。
たとえば年運の出し方なんてものも、十分これでいける、と思ったのはそんなに古い話ではない。
なんとか、年運を出してみたい。しかし、少し関心があっても、当初はパソコンがなかったから計算が面倒くさいし、それによって確かにこうなった、という人生上の検証結果も少なかったのだ。自分の人生で色々問題が起きて、四柱推命の大運という考え方に触れて、なるほど、ああいうふうに出せるのだ、とわかって、初めて重たい腰を上げた。
計算してみると、ASCが射手や双子を移動する期間というものがある。丁度そのころ、私は旅行会社にいて、結構添乗だの研修だのと海外に行っていた。そこで初めて、「どうやら、これはなんかありそうだぞ?」と思い始めた。そして、だんだんそれがちゃんと当たっているらしいことに気がつきはじめた。
ある意味、自分は鈍感な人間なんだろうと思う。だが、ほとんどの人の納得のプロセスも多分こんなものだろうと思う。
占いなんて、他人さんが「こうなります!」なんて断言するから、そのことは当たっていないかもしれないにも関わらず、気になるし、信じるか信じないか、などという話になりがちだ。
そうじゃなくて、ちゃんとやってみて、「あっ!ここになんかある!」と発見をして、そして具体的な何かを当てる。ひとつ当てると、次も当然当たると思いがちだが、信じすぎない。そういう付き合い方がいい。