ギリシャ語のニュースを聞いていると、地名が聞きなれたものと微妙に違うことはしょっちゅうある。
自分としてはもう慣れてしまったのだけれど、フランスのことはガリアと彼らは言っている。フランス語はガリカΓαλλικά, フランス人はガロスΓάλλοςだ。
ゲルマニア、イスパニア、イタリアぐらいはなんとなくわかるとして、パッと聞いてガリアというのがわからない人もいるだろう。
ご存知の人の方もおいでだろうが、カエサルがローマの西に遠征したとき、現在のフランスにあたる地域はガリアと呼ばれており、彼の記録は「ガリア戦記」ということになっている。この地域がフランスになったのは、正直者の国ということでフランク王国ができてからだ。
マルセイユのことはマッサリアΜασσαλίαと言っている。これもニュースを聞き流していて戸惑う地名だ。
だけれども、実はマルセイユの町の起源は、ギリシャ人の植民土地だったことにある。彼らはガリアの南部に植民し、マッサリアと名付けた。それはラテン語はマッシリアと呼ばれ、のちのフランス語のマルセイユになったわけで、彼らには彼らの歴史があるわけだ。
なかなかわからなかったのは、エルヴェティアΕλβετίαかなあ。ヨーロッパは異常な高温に襲われていて、やれガリアだ、ゲルマニアだ、イスパニアだとか言っているわけだが、エルヴェティアってどこだっけ?
これはスイスのことだそうです。調べてみると、現在のスイスの体制になる前にフランス革命の影響を受けて作られたヘルヴェティア共和国というのがあったらしい。