先日、何か母が「映像の世紀 ナチス 狂気の集団」というテレビを見ていた。
いや、わかるよ。こういうタイトルをつけるの。
だけど、最近「そうだろうか」と思う。
ナチスがユダヤ人の虐殺を行った。事実だった。残虐だったと思う。
でも、アメリカもインディアンを全滅した。日本の非戦闘員を数十万人も殺した。残虐さという点では、多分アメリカのほうが上だと思う。何が違う?
ヒトラーは景気を回復させ数百万人の雇用を回復させた。航空機が離着陸できる大きな幹線道路、つまりアウトバーンを作った。インフラ整備をしたわけだ。
これ、どこかで聞いたことがある・・・そう、ドナルド・トランプだ。彼は経済政策を成功させ、雇用は順調だった。問題は、それで有色人種が警察に殺されるのは仕方がないと思っていたことだ。何が違う?
自分はユダヤ人もよくわからない。確かにヒトラーによって彼らはヨーロッパで悲惨な目に遭った。
だがこういうこともある。東条英機と満州にいたA級戦犯と言われる人の多くは、ヒトラーの指示に背いて、2万とも3万ともいわれるユダヤ人をシベリア経由で日本に逃した。当時日本の国是では、いかなる民族的、種族的差別も行ってはいけないということになっていたからだ。
もしそうであるなら、ユダヤ人は何を差し置いても、東条英機や他のA級戦犯の名誉回復を行わなければならない、と自分は思う。しかし、そんなことは聞かない。彼らがやっていることはパレスチナの人々を虐げることであるように見える。
ついこの間まで、あなた方はヨーロッパで虐げられる立場だったではないか?それを、今になって他の人々を苦しめるなら、ヒトラーと何が違う?ドイツ人だって、それまで敗戦で莫大な負債によって苦しめられていた。苦しい立場を脱却したら、すぐにも他人をいたぶるなら、ユダヤ人とドイツ人と何が違うというのだ?
で、NHKがフィルムを集めてきて「ナチス 狂気の集団」という報道をしてしまうことは、それも一種の政治的な主張だと思う。もしそれが「ナチス の真実」なら、わかる。内容はやっぱりドイツの残虐さを映し出すものになるかもしれない。仕方がない。真実を伝える。それはそれでいいのだ。
問題は、それに対する主張だ。イギリスだったらまともだったのか。アメリカだったらまともだったのか。そんなことはないと思う。