占星術の場合、時期の判断には私の知っている範囲で3つのやり方があると思います。
1.エレクショナルチャート
つまり、何かをする時期というものを依頼者が選べる状況の時に、ふさわしい時期を選定する。たとえば引っ越しや結婚にいい日を選ぶということ。
2.ホラリーやイベントチャートでの判断
「就職できますか」というような依頼があって、自分を表す星と仕事を表す星がトラインになっているとか、就職できると判断できるような場合、その2つの星がどのサイン・ハウスにあって、何度離れているかというような情報から何日後か、何週後かを判断する。
3.出生図からの判断
出生図、ネータルチャートで早婚と判断できるとか、人生の遅い時期に幸運をつかむと判断できるとか、さらにプログレッションやトランジットで判断できるものも含めて判断する。
この3つは占星術に対する人間の意志の関わり方がそれぞれ違っています。エレクショナルは自分が選ぶという前提があります。結婚のようにできるだけ幸せになるために慎重に選ぶということができればいいかもしれないけれども、離婚のようなものに対しては一応の技術論として選定はできるにしても自由には選べない場合が多い。
一方出生図では生まれた時からその時期が決まっていると考えざるを得ない。だけど、何もかも決まっているとは思いたくない。ある時期に家庭的な生活がスタートすると判断できたとしても、それが結婚なのか同棲なのか家政婦さんになることなのか、長い目では判断の余地があると考えたい。
ホラリーでは間近に迫った避けにくい運命というものを示している。
時期の選定って、ある程度占星術師にとっては芸術的判断だと思う。どういったらいいかなあ、定式だけじゃないってことです。
私の知っているある人は、離婚のときにプログレッションのASCが新しいサインに入った。そこから新しい人生が始まって、独立するなり働くなりしないといけなかったわけです。
じゃあ、もしその離婚に先立つ何年か前、何か月か前に私は離婚するか、離婚の時期はいつかと聞かれたとします。
ホラリーとかで、この人たちは多分うまく行かないだろうという判断ができるかもしれない。そのイベントがあるのは大体何か月後だ。そして出生図から、この時期にこの人は結果的に新しく何かスタートするというのもわかる。何月ぐらいにこんなことがあるかもという目安もある。そうすると薄々は「これぐらいの時期かもしれないな」という判断はできるということになります。
けど、では「~か月後に離婚しますよ。」と言えるかというと、なかなか難しいですよね。離婚しないに越したことはない。失礼になるかもしれないし。それに離婚ではなくて別居なのかもしれない。