日本人の場合、誰か親しい人が難しいことに取り組もうとしていたり、仕事があったり、大変な状況に置かれるようなときに「がんばって」「がんばってください」という。
これ、阪神淡路大震災だとか、東日本大震災の時に被災者に対して「がんばってください」というと、「これ以上何を頑張ったらいいのか」ということで被災者には負担になるということで、良くないんじゃないかと言われたりした。そうそう、精神的に病んでる人とか災難にあった人一般でも、「がんばって」と言ってはダメだなどということも言われている。
かといって、「がんばって」以外に、どういう言葉をかけていいものか、悩むところです。
ぴちぴちピッチで海斗がサーフィンで海に向かうとき、るちあさんは海岸に立って海斗君に「海斗、がんばってー」と声をかける。
それはギリシャ語ではなんて言っているのか見てみると
Καλή τύχη, Καϊτο (カリー・ティーヒ、カイート)
ですね。καλή(カリー)はκαλός(カロス)の女性形で「よい」ということ。τύχη(ティーヒ)はテュケーという幸運の神様がギリシャ神話にあるのをご存知の方もおいででしょうが、その幸運ということ。つまり英語のグッドラックと同じで、確かに英語でも「がんばって」という場面で「グッドラック」と言います。
ぴちぴちピッチのギリシャ語版の場合、一度他言語に訳されたものをギリシャにしていたり、そのままでなくても参考にしていたりするケースはある。試しにフランス語版を聞いてみたら
bonne chance, Kaito! (ボンヌ・シャンス、カイト)
と言っている。シャンスは英語のチャンスと同じだから、意味としてはまあ一緒ですね。
多分日本語のニュアンスとしては、「うまく行くといいね」みたいな感じなのだろうと思う。あなたが頑張った結果、良い結果を手に入れられるといいね、ということだと思うが、直接「がんばって」というよりは、押しつけがましくなくていいのかもしれない。