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天国 (1)

天国と言うのは不思議な言葉だ。多くの人が死後の理想世界みたいなもののことだろうと思っている。どちらかというと天国は西洋のもので浄土と言うのとは違うが、しかし人々の頭の中にある考え方は似たようなものだろう。神様がいるとか天使がいるとか宮殿があるとか、先に死んだ人がいるとか。

 

だけど、本当は福音書には天国に宮殿があるとか蓮の花が咲いているとかそういうことは書いてない。
天国は死んだ後に行くと書いてあるか?書いてない。
おじいちゃんがいると書いてあるか?書いてない。

福音書にはほとんど毎ページに天国について記述されている。人々はそれをちゃんと読んでいる・・・と思う。にもかかわらず、ほとんどの人が、天国は死んだ後に行くある場所で、あれがいたりこれがいたり、光に満ち溢れていて、とかなんとかというイメージを持ち続けている。

 

どういったらいいかなあ・・・。

どうせ天国は未知の概念だ。

そういうことなら、福音書を読んでそこに書いてあることのみを根拠として天国が何か組み立てたり類推したらいいと思う。

そう、大学入試の時なんかはそうするだろ。全く未知の文章、誰かのエッセイなどについて読んで「作者は天国と言うものをどのようなものだと考えているか、500字以内で答えよ」などという問題に答える。書いてあるテキストから類推できることでなければダメだ。蓮池はないよ。

ところが誰もそういうことをしてみようと思ったことがないように私には思える。

なぜなの?
なぜ、書いてある通りのものだと思わないの?
なぜキリストが、「これぐらいなら、お前でもわかるだろ?」と言って話したと思わないの?

 

それで、それをやってみようじゃないですか。

いくつかあるんですよ。

  • 天国はそもそも近づくようなものである。
  • 天国はこころにおいて貧しいもののものである。
  • 天国は植物の種を誰かが蒔いて、それが大きくなって実をならすのに似ている。それは麦だったり、からしだったりする。
  • 天国は主人が金を僕に預けて旅に出るようなものである。
  • 天国は明かりをともして花婿を待つようなものである。

こういうの、いくつかピックアップして、そこに共通の何かを見出してみましょうよ。多分それが本当の天国に近いと思うよ。

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