るちあさんの持ち歌で、こういう大きな舞台で歌う場面もあるのだけれど、だいたいご本人が機嫌のいいときに鼻歌で歌っているのはこの歌です。

鼻歌でも、ギリシャ語版は歌と台詞の部分は違う人がやっていて、鼻歌を歌う部分になると、録音済みのヴァシアさんの歌が流れる。日本語の声優の中田さんの歌もなかなか鼻歌っぽくて悪くはないのですが、ヴァシアさんはヴァシアさんでいかにも楽しそうに歌っているので、これはこれで聴けます。

Δεν μπορώ φτάνει πια να χτυπά η καρδιά τόσο δυνατά 心臓がこんなに強く打つのについていけない。
Δεν μπορώ, να καώ, νιώθω μια φλόγα στην ψυχή και στο μυαλό, たましいと思いを炎が焼いていることを感じるのは耐えられない
ειμαι ερωτευμένη, ξερω ότι αγαπώ. 私は恋している、愛していると知っている。
Δε σταματώ τώρα τα τραγουδώ. 今歌うのを止められない
Δε σταματώ να ‘μαι μες’ στο χορό. 踊りの中にいるのをやめられない
Αυτό που ζω θα το χαρώ, 私が生きていることは、喜ぶこと
θα βγω και θα φωνάξω Σ’ΑΓΑΠΩ. 愛していると表明し叫ぶこと。
Δεν μπορώ να κρατήσω τέτοιο μυστικό. こんな秘密を隠しておけない
θα το πω σ’όποιον βρω, ότι αγαπώ. 私が見つけた人に愛しているというでしょう。
Τώρα πια δε θα σταματώ να τραγουδάω, 今こそもう歌うことを止められない。
η καρδιά χτυπά, λεει δυνατά Σ’ΑΓΑΠΩ. 心臓が、あなたを愛していると言って鼓動している。

一応ギリシャ語の歌詞は上記のようなもので、これはこれで正直というか素直でいいのだけれど、自分はこの日本語の歌詞「聞いて 胸の はじけて飛び散る なんだろう？」という歌詞もなかなかいいと思っています。若いときに初めてそういう経験をするときの戸惑いみたいなものが表現されているじゃないですか。二人で寝ようよはアカンなあ。飛躍しすぎ・・・

前半の物語の作画では、こういう歌に合わせてステップを踏むとか、こういうのを苦労している場面があります。ディズニー映画はセル画の時代から割と音楽に合わせて映像が動くというのをやっていたように記憶しています。初音ミクが世に出たのが2007年で、今はああいう3D映像が踊ったりするのも珍しいものではなくなりましたが、多分2004年ごろこのアニメが発表された当時としては挑戦的な試みだったのだろう。

漫画として、アニメとしてどうかというのは、これはこれであるでしょうけれど、企画としてはこのアニメはとても面白い。最初から歌で売る、音楽で売るというベースを考えながら作れるもの。外国で放映するときも、作る側がそもそも歌うメンツを揃えるみたいなことを考えないといけない。そして、たいてい「これならやってみたい」という人が多分各国にいるわけですよ。