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国風文化

今日ハズキルーペなる宣伝で、渡辺謙と菊川怜が出てきて、「これが日本の技術」みたいなことを言っていて、ふといろいろ思った。

自分が子供ころ「これが日本の技術だ!」みたいな宣伝はなかったと思うのです。

なんというのか、ハクが付くと言えば「アメリカから来た」とか「欧米ではなんとか」みたいなやつだったと思う。「これが日本の・・・」では人は食いつかなかった。

有名どころでは、なんでしたっけ、「ビタミンパン」でしたっけね、ああいうのがいいわけですよ。白米にはビタミンB1があまり含まれていないが、パンには含まれている。アメリカ人はパンを食べているから頭がいいのだ、みたいな宣伝が戦後は本気で行われていた。お米と漬物?ダメダメ!パンと牛乳でなくちゃ、というわけですよ。

明治維新以降、西洋に追いつけ追い越せで必死で日本は努力してきた。そのモデルはイギリスやフランスやアメリカだった。そして背伸びをして肩を並べるようになったはずだったのに、戦争に負けてしまった。軍隊では無理でも、産業で必ずアメリカを追い越してやる。そういう熱意が日本を支えていたのだろう。

 

1980年代になって「JAPAN AS NO.1」という本が出たと思う。日本が優れている、といいはじめたのはあのころですかね。オイルショックがありそれまで日本国内で培われた技術でできた製品が、徐々にアメリカを席巻していった。日本のコンパクトカーの燃費の良さ。ウォークマンの発想。時間にぴったり止まる鉄道網。細部にこだわった白物家電。鉄鋼や造船の技術でも世界を上回るようになった。

今では、外人タレントさんたちが「日本のテレビ局は自画自賛を要求してきてちょっと嫌だ。」などと言い始めるようになった。白物家電は中国に取られてしまった。日本の職人的技術で世界をけん引してきた企業が、後継者問題で行き詰まり、アジア各国の企業がその技術や権利を受け継ぐようになった。

「これが日本の技術!」というのは、逆に言うとそうした危機感の裏返しなのだろう。

 

それで、今日ふと思ったことというのは、「これって要するに国風文化なんじゃない?」ということ。

国風文化、ご存知ですね。飛鳥時代、白鳳時代、奈良時代、日本は白村江で唐との戦いに負け、朝鮮半島の領土を手放した。それ以降、中国や韓国の優れた文化や技術を取り入れようと必死で努力してきた。

しかし、唐が内乱などで衰え、遣唐使は廃止されることになった。日本には空海が密教の本流を伝え、安倍晴明のような陰陽師が出て、いわゆる八卦だとか陰陽五行のような文化も、わざわざ唐に渡らなくてもいいや、ということになったのだろう。「雲太、和二、京三」(建物は出雲大社が一番巨大で、二番目が大仏殿、三番目が京都御所)というような言葉も、「長安のあの塔に追いつけ追い越せ」というような状況では多分生まれない言葉だと思う。

いま、性懲りもなく、東京スカイツリーみたいな建物ができますよ。人間は進歩ないですよね。
そしてそういう「世界で高い建物」はエッフェル塔でもエンパイヤステートビルでも世界貿易センターでもトロントのCNタワーでもなく、中東ドバイのブリュジュハリファになった。もう欧米に追い付け追い越せではなくなったのだ。

 

自分が高校の時ぐらいは、なんとなく表面的に「国風文化」なんて習って、なんでそんなことになったんだろうねえ、と思っていたが、いわば全く同じことが今日も起きている。これ、起こるべくして起きたんことなんだ!

おじいちゃん、おばあちゃんになると「今の若いもんは・・・」と言いたくなる人が多いだろうけど、昔とは状況が違う。ただ、それは大体先例があるわけで、大人のほうが勉強不足なんだろうと思うな。

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