ちょっと前に、テレビで山羊を飼っている迷惑なおばさんのニュースが放映されていた。山羊は周囲の生垣や野菜を食べ放題。おばさんは山羊が自然に交尾していくらでも増えるのを止めず、せっせと干し草を運んで養っている。たとえば乳を搾っているとか販売しているとか、そういうプラスの場面は出なかった。しかし、法律上は手の打ちようがない。
これはあると思うんです。少し前に私の家の周りでも、ネコがものすごくたくさんうろうろするようになって、近所の人からも苦情が出るようになった。地域で何件か、猫が好きな人がいて、何匹か猫がいるとその餌を野良猫も入り込んで食べたりして、とにかく増えてしまうわけだ。
で、いろいろ聞いてみると、ネコ好きの人々でさえ、あまり増えてしまうと、法律違反かもしれないと思っても、極端な手段に出ることもあるらしいこともわかってきた。
これ、動物愛護法だけ、ということじゃないんです。「人道的」「可哀そう」「博愛」とか何とかで「殺すのは絶対ダメ」「人権は保障しないといけない」という名目のもとで、ちょっと筋から外れた出来事が起こると、それに対しては手も足も出ないということが起こる。北朝鮮の木造船乗組員による略奪なんかもそういうことになると思う。
これは殺してはダメなの?いや、あかん、あかん。そんな簡単に殺すなんて・・・
その一方で、もし略奪される側の人がその場に居合わせたら、多分指をくわえて見ているしかないということなのではないだろうか。
それで、「原理原則でダメです」というのは簡単だけど、多分どこかの時点で「わかりやすい」が勝ってしまう瞬間が来ると思う。この生物とこの生物は動物愛護法、そのほかはなんとか法、猟師さんが捕るのはOKで、虎ばさみはダメ、網の罠はOK、あれはああでこれはこう。そういっている間に畑の作物は全滅するかもしれない。ただでさえ農業は赤字なのに、こんな費用まで負担するの?
そこで、多分「あ、ごめん、ちょっとあっち見て」と遠くを見させておいて、みんながあちらを向いたとたんに「バン!」とやってしまう。わかりやすい。ま、いいやん、困ってるんだから。
なので、今の体制はどこかで無理が来るんじゃないかな。愛護だけで何とかすることはできないような気がします。