どういったらいいでしょうかね。不思議とか、奇跡とか、超能力とかそういうものは色々言われているわけですけど、超能力らしい超能力などというのは普通はなかなかお目にかかれません。
つまり、目の前で座っている人が突然地面から5cmほど静かに浮遊するとか。でもほとんどの場合これ見よがしに行われるそういう不思議や奇蹟や超能力というのは何かのトリックがあって眉唾です。
私はこの間初めて「ほん怖」を生で見ました。後付け動画でしか見たことなかったですもの!で、あれもそうですよね。どれもこれも物理的に不思議だ、それ!怖いですよ!って話ですが、逆に眉唾チックに思う人も多いことでしょう。
だけどそういうこれ見よがしに不思議ではない不思議というのがあります。
私の祖母が亡くなる前、そろそろ危ないというので私も含め親族が遠方からかけつけました。しばらくそれで病院に通って病状を見たりしていたのですが、不謹慎なことですけど、なかなか死なないわけですよ。やれ、今晩ももったな、というような感じで。
いずれ危ないかもしれないが、この調子で山を越してしまうと、ずっとこちらにいるわけにもいかない。仕事も親族の関係で休みをもらっているのだから、一旦ここらで帰ったほうがいいのではないか。そして私たちが引き上げの計画をし始めた時です。
突然土砂降りの雨になって、駅に行くどころではなくなりました。でも、今回の山口や津和野や秋田の豪雨みたいに全国的にニュースになっているわけじゃないんですよ。あるものが「どうやら、これは婆さんが引き留めてるらしいな」と言い出して、そのまま留まったところ、祖母は亡くなったのです。
これは、すべてこの世の普通の出来事で説明ができることしか起こっていません。たまたま土砂降りの雨が降る。あり得ることです。
だけど、その場にいた人は偶然だとは思えない。
もし列車事故が起こった時に、一人だけ箒に乗って空を飛んで助かろうということになると、神様もいろいろお困りになるわけですよ。
「お前さんを助けてやるのはやぶさかじゃないが、通勤途中の人が箒で空を飛んでるお前を目撃して週刊誌にでも載ってしまったら、後片付けがややこしくて仕方がない。」
「どうせお前だけ助けてやるんなら、その日家に大事な書類を置き忘れるってことにしてやろう。そうすればこの列車に乗る必要ないだろ?」
ですので、まず不思議じゃない不思議を手に入れるのがいいと思います。不思議は後でいいと思うんだ。いろいろな努力や精進や信仰とかそういうものの結果として、すごい不思議も手に入るのかもしれないけれども、まずあまり不思議ではない不思議でいいと思う。