この人は、家を飛び出す人なのか、家を継ぐ人なのか。誰と結婚するのか。結婚した家族から何らかの金銭的な支援を受けるのか。共同事業をするのか。社会的に偉い立場に立つのか。誰かの看病をするのか。
そういうことがホロスコープには示される。出生図で大きなアスペクトを作る星があって、それがどのハウスにあって、どのサインを支配するのか。それぞれで暗示される出来事や事実があり、それを考えあわせることで、その人に起こる出来事がかなり具体的に推定できる場合があり、そしてそれは大抵そのようになる。
そして、そのような星に対して年運のASCやMCがアスペクトを作る時、それに関係する出来事がきっと起きる。すると、だ。
たとえば第10ハウスは父を表すと言われている。第4ハウスは母。第3ハウスは兄弟。たとえば第10ハウスが山羊の人なら、その人のホロスコープの中で土星は父親を示すのかもしれない。そして、土星が第4ハウスにあれば、その人は多分その家を継いだり祖先を祭る立場に立つだろう。
その第4ハウスの土星に対して、ASCがアスペクトを作るということは、その人の家に関することで、父親に関する何らかの出来事が起きるかもしれない、ということだ。ということは、たとえば「この人のお父さんがこのころに亡くなって、この人が家を継ぐ立場にこの時期に立たされるかもしれない」というようなことが、あり得る。
だけど、そんなことあっていいのだろうか、といぶかしく思われる方もおいでのことだろう。
たとえば出生の時に星の影響を受けるとするなら、その人の親兄弟、親戚、上司、結婚相手、そうしたものはなんの関係もないじゃないか。
だがそうではないのだ。命は個ではなく、大きな法則に司られている。占星術を受け入れるということは、運命に盲従することでもないし、自分の運命を計算して何もかも絶望することでもない。そもそも星の影響を個が受け取る、という考え方自体が間違っているのだ。
現実問題として、AさんのホロスコープでBさんの運命がわかってしまうということはあり得る。