ずっと見てきた「ぴちぴちピッチ」だけど、一応最後まで見ました。
ギリシャ語と言う点でいえばすごく勉強になった。いままで自分があまり使わなかった単語で頻出するのなんかは自然に覚えますしね。
「駆け落ちするのよ!」(το σκάσετε!)なんて単語がわかったのもよかった。
もう一度ちゃんと調べながら見てもいいかもとも思う。
後半の展開については、こう思います。
- 少し重い。毎度、マンガとして見続けるのが少しつらいぐらい、感情的にしんどい場面が多いと思う。もっともこの物語のアイデアのもとになっているのはアンデルセンの人魚姫なのだそうで、好きになった王子様が姫のことを忘れて他の人と結婚する、という下地があるからハッピーエンドで終わっただけ良しとすべきなのかもしれません。
- 展開が少し突拍子もないところがある。後半の悪役のミケルというのは、六翼で空を飛ぶ古代人類の末裔で、地下の化石から甦らせたもの、みたいなことになっているのだけれど、前半の悪役の「パンタラッサ(つまり大海原)の王」などというのに比べると、「こんなモチーフどこから持ってきたの?」という感じはする。
六翼(εξαπτέριγα エクサプテリガ)という単語は、ギリシャ語では一般的にセラフィムのことを指します。イザヤ書がもとになっているわけですが。
骨が地中に埋まっていてそれがもとになっている、という考え方も西洋人としてはわかりやすいモチーフだと思う。またそうした存在を完全な敵とみなして滅ぼしつくしてしまうのではなくて、同じ地球に存在する生命体として、最終的にはそのこころ・・・たましいが解放されるという考え方も海外で受け入れられた一つの要因だと思う。
いくつか書きたいことがあります。
最終的には、このプリンセスたちが、玉座に座っている場面が見たかったような気がする。
南太平洋のプリンセスのココさんは、ちらっと豪華な金色の宮殿にいる場面が出ます。
それから、大体人間世界にいる北大西洋のプリンセスのリナさんだけど、話の中でちらっと国元の音楽祭に帰る場面が出ます。壊れた宮殿が復興されて明かりがともり、荘厳な雰囲気の中でサマーフェスティバルが開催される。居並ぶ人魚たちが「リナ様がお帰りになった!」と騒いで拍手喝采なわけですよ。
ところが番組の最後でも個人的な恋愛の場面で「いつか国元に帰るから別れなければならない」という余韻を残すだけで、人間との愛で苦悩している場面までしか映らなかった。ま、これでいいのだろうか。