自分はそんなに映画とか見てないんだけど、かつて旅行会社にいた時に、長距離線の飛行機に乗ると案外最新の映画を上映していたりして、「ロッキー4」「天使にラブソングを」「紅の豚」なんかは飛行機で見た。映画館で映画を見ないもんだから、そのときにこの映画が見られているというのがラッキーなことなのかどうなのかわかっていなかった。しかし実は映画館での上映に先駆けて最新映画を見ていたのだ。
最近のアメリカ映画の宇宙人もの、インディペンデンス・デイでもバトルシップでも、結局アメリカ人の発想は西部劇の時から変わっていなくて、「どこかに敵を設けて、アメリカの将軍がドンパチでそいつらをやっつける」という構図なのだ。西部劇の時は、それはインディアンたちだった。そしてそれは次にドイツ・ヒトラーになり、ソ連になった。日本も標的だったのだろうが、政治的な重要性からか、日本の軍隊をコテンパンにやっつけてアメリカ万歳!というような映画はあまり作られていないように思える。終戦後直ちに共産主義陣営との冷戦に突入したから、日本があからさまに敵国になるような映画は得策ではなかったのだろう。アメリカがイスラム戦士と共闘してソ連共産党軍をやり込める云々というような映画がたくさん作られた。今、アメリカが育てたイスラム戦士たちがアメリカを脅かしているわけだが。そして、冷戦時代、ソ連は常に敵役だった。
そして、地球上であげつらうことのできる敵がいなくなると、次の相手は宇宙人になった。
ふと思い立って、Youtubeでロッキー4のボクシングシーンを見てみた。Rocky4とか検索したら、簡単に出てくるんですよ、ロッキー対ドラコみたいなのが。
と、ダメだねえ。今自分はロシア語を勉強している。
もう、ドラコの奥さんみたいなのが出てくると、そっちのほうに共感してしまうし、セリフが聞き取れないか、耳を澄ましてしまう。日本も東日本大震災で原発事故が起こったが、多分ゴルバチョフを模して出演しているソ連の書記長役も、この後チェルノブイリの収拾に奔走したとかわかってるから、そっちをひいきしてみてしまう。
前に見た時は、そんなことは考えなかった。ロッキー・バルボア万歳みたいな感じで見たろうと思う。
それに、全く何も真実がないと言えないかもしれない。共産国家は国がスポーツ選手を後押しする代わりに、メダルを取るために筋肉増強剤などあらゆる手を打ったという負の歴史は確かにある。しかし、彼らがそれなりの体制で子供の能力を伸ばすのに力を注いだのも事実だ。
だけど、そんなこととは別の話として、ロシアにも普通に暮らす人がいたんだよ。愛もあり、文化もあった。何も化け物が暮らす国があったわけじゃない。
考えてみりゃ、アメリカもひどい映画を作ったもんだねえ。
猿の惑星の猿は日本人というのは有名な話ですね。
灸太郎さん、こんにちわ。
そうなのですか。
しかし、仮にそうであったとしても「手ごわい相手」だと認識されていることは確かだということですね。
ラスト・サムライみたいなのにしても、パールハーバーみたいなのにしても、一方的に日本がやられっぱなしという映画は、あまり思い浮かばない。
「東京大空襲、万歳!」「ジャップのクソ野郎の本拠地を焼き払ってやったぜ」「広島原爆投下!ヤッター」みたいなのはあんまりない。
その点「パリは燃えているか」「Longest day」とか、ナチス物はコテンパンにやっつけているように思います。