μένω(メーノ)はギリシャ語を勉強し始めて、最初のころに習う動詞の一つだ。というのは、
Πού μένετε; プ・メーネテ(どこに住んでいますか)
Μένω στην Ιαπωνία. メーノ・スティン・イアポニーア(日本に住んでいます)
みたいな、「住む」という意味で使われるからだ。
しかし、実際にはμένωは英語のliveなどとは違って、もともとの意味はある場所にずっといる、留まるという意味だ。
さてこの言葉に、様々な前置詞とつかわれる単語が前にくっついて、新しい意味を生み出す。またμένωに関係した名詞は普通μονή(モニー)という言葉になる。μονήは一般的には修道院の意味だが・・・
動詞 | 意味 | 名詞 | 意味 | |
---|---|---|---|---|
παρα | παραμένω パラメーノ |
残る、滞在する。 | παραμονή パラモニー |
前夜、イブ |
υπο | υπομένω イポメーノ |
我慢する | υπομονή イモポニー |
我慢 |
περι | περιμένω ペリメーノ |
待つ | περιμονή ペリモニー |
(あまり使われない) |
ανα | αναμένω アナメーノ |
期待する、予期する | αναμονή アナモニー |
期待、予期 |
δια | διαμένω ジアメーノ |
住む、生活する | διαμονή ジアモニー |
滞在 |
κατά | καταμένω カタメーノ |
残る、居住する | καταμονή カタモニー |
(あまり使われないが多分)居住 |
εν | εμμένω エンメーノ |
執着する | εμμονή エンモニー |
取り付かれること |
ざっと目に付くところで、これぐらいの派生語がある。
これ、部首ですよね。つまり、イポ片にメノーは我慢、みたいな。イポは下にということで下に留まるのは我慢することだと。これが2つではなくて、3つも4つも足し算した単語もあります。
ただ、日本語と違うのは、聞いてわかること。長ーい単語になっても、それがくっついているのは発音上もわかるから、字を見ないと分からない、ということはありません。
それと漢字の場合は、その字は動詞として使われる場合もあり、名詞として使われる場合もあり、形容詞として使われる場合もあり、字自体は変化しないけど、ギリシャ語の場合は、名詞なのか動詞なのか誰がどうしているのか、組み合わさった後も様々に変化すること。
日本の漢和辞典なんかの場合は「部首引き」というのがあるけど、ときどき、そういうのがあってもいいかもしれないと思う。μένωの派生語、φέρωの派生語、みたいなのが一覧で見たい時もあるし。