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天文現象の速度

地上の多様性にとんだ現象を説明するためには、速度の速い天文現象の動きを使わないといけない、と思う。幾つか例を出しましょう。

 

たとえばパート・オブ・フォーチュンという指標がありますね。月-太陽+ASCでいいですかね。式にするとそうなのだけど、盤にすると、ASCから月-太陽分だけ進んだところになるから、上弦はIC付近に、満月はDES付近に、下弦はMC付近に、新月はASC付近にかならずなるのです。

もしパートオブフォーチュンが失せものさがしに有効だとしましょう。実際有効なのだけれど・・・

今だと第1ハウス水瓶にあります。

そこで、「第1ハウスだから、自分の部屋や玄関にあるのだ」という考えと「水瓶だから変わった建物があったりマダラの何かがあったりする」という判断のどれが優先されるべきでしょう。月-太陽は太陽と月との角度なのだから、月齢と同じです。したがって月齢が変わらなければハウスはあまり動きません。今日10人の人が別々の時間に失せもの探しの相談をしてきたとして、あなたがハウスに注目するなら、今日一日の返事はいつも一緒だということになります。

しかし、水瓶かどうか、サインは1日に1回転するのです。2時間後なら魚になるかもしれない。何かの手違いで連絡する時間がずれた、それでなぜか発見できる場所のお返事は変わることになります。

 

別の例を出しましょう。

1月生まれの多くの人が山羊座です。だから山羊座の人はこうです!みたいなのが星占いと思われています。それで間違いではないのですが、1月1日生まれと2日生まれとどう違うのか?といわれると、ホロスコープを書いても太陽の位置はそんなに変わりません。1月生まれの人がみな同じ運命、同じ体格、同じ嗜好を持つのか?

しかし、ASCは一日に1回転するのです。同じ1月1日に生まれても、肥った人も痩せた人もいます。涙もろい人もいればポーカーフェイスの人もいます。ASCのほうが、比較的その人の特徴を忠実に映し出すのです。

 

占星術師は必ず当てないといけない。当てることがすべてではないが、でも当てて何ぼの世界である。それが具体的に当たるということは、今日一日10人のお客さんに同じ答えを返す、ということにはならないと思うのです。

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