占星術とは何か?通り一遍の回答は辞書でもネットでも検索すれば模範解答が得られて、星と人生の関係を調べるのだとか、古代メソポタミアで生まれて云々というようなことはわかる。
やってみると当たっているように感じる。だが、かなり占星術をやった人でも、何が占星術なのか、なぜこのようにすると当たるのか、わからないのだ。そして、科学の代弁者気取りの人が、迷信だ、でたらめだと否定する。
わからないのはわからないのだ。
ただ、わかっていることがある。それは、科学にはこういう類の思考がないということだ。
科学はばらばらのものを扱う。ボールが一個そこにあって、どれだけの力を加えるとどこに飛んでどこに落ちる。どの生物は何か月かかって成長し卵を何個生む。
それに対して占星術を含めて科学以外の古い体系は、ひとつの全体を扱う。この世、目の前の世界が、相互に関連しあう一つの世界だ、という考え方が科学にはない。
ギリシャ語のシステマという言葉が当初どういうニュアンスでどういう起源でいわれ始めたのか私は知らないけれども、科学が問題にするのは現代でいうところのシステムだ。風車があってダイナモががあって電球がある。ダイナモのコイルが一か所切れていれば、それで電球はつかない。風車の羽が一本折れていれば、それも電球はつかない。一緒に組み合わせて動きはするけど、生きていないのだ。
しかし、占星術のような占いの考えだとすると、今の盤で海王星の何かがあるとするならば、踊らないなら酒があるというように、必ず全体の相互関連が必要だ。世界は大きな一つの命で止まることはない。
占星術もまあまあ当たる。現実的なことを言い当てる。だけど、本当はもっと何かあってもいいと思う。その秘密を知っていれば生命のすべてがわかるというような・・・