松江はなじみの町ではある。
ただ、30年間離れてたのだから、それ以前とそれ以後とは違っている。そもそも松江にいた頃に島根国体があって、その前後に道路や施設が大きく整備された。それが変化した後の町はあまり知らないままになっていた。
市町村合併で原発のある鹿島町などいくつかの町が松江市になった。
昔は縦横無尽に水路があって、ベニスのように水上交通で成り立っていたが、明治以降埋め立て・道路整備が行われた。
地元に住んでいる皆さん、県や市の皆さんが努力して開発されていると思うので失礼とは思うのだが、何かちぐはぐ、もったいないという印象を受ける。
新しい町、寒い地方の町、共産圏の町、こういう町は大きな道路が通って周囲にドーンと高いビルが建っている。
出雲市にも旧市街はあるけれども、どちらかといえば新しい町になりつつあるように見える。
松江には湖があって、川があって、城があって、旧市街がある。新しい街には真似のできない魅力がある。
私の知っている町では大津が似ているような気はする。
後は、宍道湖に夕日が沈む。毎日宍道湖畔を通っていたころは何も考えなかったが、離れてみるといかにも風光明媚なところだ。
宍道湖大橋をわたり、お城の下、県民会館の横を曲がって天神町のほうに抜ける。でも、「すごいきれいな街」というのでもないように思う。
突然だけれども、たとえばパリ、フランクフルト、ミュンヘン、ウィーンなどのような街を考える。旧市街は歩いて過ごせる町で景観が保護されていて、新市街はその外側に広がっている。
果たして松江に来た人が、たとえば、そう、海岸にあるというのならハンブルク、コペンハーゲンなどの旧市街に来たときのように感じてくれるだろうか。