ディズニーのアニメ映画で、松たか子さんが吹き替えをした歌声「Let it go」が、多くの人々の注目を集めたというニュースがしばらく前にあった。25か国語の吹き替えをつなげたビデオが発表されたのだが、その日本語の部分の美しさに多くの人が惹かれたというのだ。
自分も遅ればせながら動画で聞いてみた。映画は・・・見ていない。もう公開されていますね。
しかし、どうやら王女の姉妹のお姉さんが実は雪の女王で、手袋を外して物に触ると凍ってしまう。そのことがばれてしまって、今からは自分の秘密を隠さずに雪の女王としての力を出していく、という場面で歌われているものであるらしい。
よく考えてみればありえない設定ではあるのだが、それでもこの歌が多くの人を引き付けたのは、ありのままで自分の秘密を隠すことなく生きていく、という決意のようなものに多くの人が共感できる部分があるからなのだろう。
この女王さん、エルサさんと仰るようですけど、パッと手を伸ばすと、冷たい風が出てきてあたりのものが凍ったりしてしまうんだよね。
映画の中では美しいかもしれないけれども、童話的な文脈の中では、これはいわば邪悪な力と言えなくもない。
今自分はそんなことを考える年齢はすぎちゃったかもしれないけれども、多くの人が若いときに「自分らしさ」「自分探し」みたいなものを考えることがあると思う。
だけど、たとえば怒りっぽい人がその「怒りっぽい」ことを自分らしさとして肯定してしまうのがいいことかどうか。それは間違っているんじゃないか。
あるいはもうちょっと一般的なことで、自分は洋楽と演歌とだったら、演歌が好きだとして、演歌が好きなのは自分らしさとして肯定していいことなのか。それは音楽を学んでも一緒か。ピアノや三味線やダンスやいろいろやったら結果は変わるのではないか?
いやまあ、逆に目移りするのもよくないとは思うんだけどね。
しかし、いずれにしても自分らしいというのは、走っていなければならないと思う。挑戦し続け、いいほうに努力し続け、走り続けるということがあった上の自分らしさだろうと思う。