すみません、前後に全く脈絡のない記事です・・・突然おもいついたので・・・
今は弾かないのだけれど、昔は憑かれたようにギターを練習していたころがあった。先生について習いもしたし。なんでも弾けたし、楽しくもあった。
バッハの無伴奏チェロ組曲の3番ハ長調は、大体ギター用編曲がある。それで、そのプレリュードを練習したことがあった。
今はもう昔の人だけど、セゴビアというような伝説のギタリストがいて、こういうのを弾いていた。それで他のいろいろなギタリストがそれを真似してか、弾いている人は結構いた。
それで一通り自分も弾けるようになった・・・と思っていた。実際美しい旋律のプレリュードなんです、それは。
しかし、有名なパブロ・カザルスの演奏とか、ヨー・ヨー・マの演奏とか、そのほかいろいろのチェロの演奏家の演奏を聴いて考えが変わった。彼らは場合によってはギターの奏者の倍以上の速度で弾いていた。それでいて、それはゆったりと聞こえているのだ。彼らはメロディーでちゃんと音楽をしていた。
思うに、ギタリストはギターという楽器に負けている。これがこう響くから、こう響かせるから、ここではこのように弾く、みたいな。
禁じられた遊びの音楽担当をしたイエペスは?彼が無伴奏チェロ組曲を弾くのを聞いたことはないが、彼はギターという楽器の限界に負けない演奏をしようとした数少ない演奏家だったと思う。ギターでここが響くから、こういう運指の限界があるから、そのためにリズムを崩す、ということを彼は許さなかった。
で、自分もそれからはチェリストのようにバッハを弾けるようにしようと思った。チェリストの速度でメロディを奏で、チェロやバイオリンで弾くような旋律で、なおかつ忙しく聞こえない、バタバタしない、ゆったり響く音楽を作り上げたい。
一度だけ、それでその成果を人前で弾いたことはある。しかし、聞いた方もそういうことは考えずにお聞きになっただろう。また、そのように努力したとしても、その旋律はバイオリンやチェロの音量や強弱にかなわなかっただろうと思う。
ふとそのことを思い出して、今のギタリストでそういう演奏をされている方がいるだろうかと思って、Youtubeを探してみたけど、そんな演奏は見つけられなかった。