ぴちぴちピッチを聞き始めて、初めてギリシャ語をギリシャ語として勉強し始めたような気もします。ギリシャ語の勉強はしてました。ギリシャにもいましたよ。だけど、それは何らかの形で教会やキリスト教と関わっていました。
ぴちぴちピッチは日本のアニメだけれど、ギリシャ人が生活するうえでどういう会話をしているかというのは今になって勉強してる感じです。行ってた時も、そこまでギリシャ人社会に入り込んでいたわけではありませんし。
そうした中で、とても惹かれたというか、少し驚いた会話があります。
3話の中で、リナさんが初めて転校生として学校にやってきたときに、るちあさんが友達になろうとして話しかけます。
るちあ:「わたしのことはるちあって呼んでね」
波音 :「わたしも波音って呼んでね」
日本語では当たり前のこの表現ですが、これは日本語では七海るちあなら「七海さん」と名字で呼ぶという前提があるからこそ、「下の名で呼び合う」というのが友達の証になるわけです。
「下の名前で呼ぶ」というのは歌詞にできるような、日本の文化ですよ。
しかし、西洋では最初から下の名で呼ぶのが当たり前だから、この分の尺が余ってしまうことになります。
そこで中学生としては背が高くてスタイルがよく、男物の服を着ているリナに彼らはこういっています。
るちあ:δεν είμαστε αδιάκριτες, αλλά…
波音 :Μήπως είσαι ξένη;
(ゼニマステ アジアクリテス、アッラ…私たちは詮索好きだってわけじゃないんだけど…)
(ミッポス・イーセ・クセーニ? もしかしてあなた、外国人?)
日本では、この会話は考えられないと思うんですよ。話し方か、容姿か、髪や目の色か、何らかの形で外国人であることは大抵すぐわかります。「もしかして、あなたは外国人ですか?」という質問をすることはこういう場面ではまずない。
だけど、陸続きのヨーロッパ各国からたくさんの人が出入りしていて、さらに海から次から次へと難民が押し寄せるギリシャにおいて、見た目は区別のつかない外国人が混ざってるということはあり得る。
ギリシャ人で金髪で巻き毛というのは特徴的です。びっくりしますよ。だけど、すべての人がそうだというわけではなく、茶色い髪の人もいれば、赤毛の人も黒い人もいます。そして、大きな意味では、たとえば中東の人もギリシャ人も、コーカソイドと言って、頭の丸い似たような骨格の形状を持っています。だから、この質問はたぶんギリシャではありなんですよ。
いいのかもしれない。そういう社会も。自分もよく「中国人か?」と言われました。