いま、総務省や外務省のホームページを見てみると、「北方領土は日本固有の領土であり、ロシアが法的根拠なく不法に占拠している」と書いてある。そのようにテレビも報道している。
しかし、・・・これもまた武田邦彦先生だ・・・実は、日本は対外的に4島が日本の領土だと認めたことはないのだと聞いた。サンフランシスコ講和条約でも、日ソ共同宣言でも色丹・歯舞群島しか取り上げていない。彼曰くは、2島返還で話がついていたのに、川口順子が外務大臣をしたときに、それまで2島と言っていたものを4島返せとロシアに言いだしたものだから、それでロシア側が切れてしまったということだった。
これ、ホント?
川口大臣のときの顛末については鈴木宗男さんがいろいろ説明しておられるようで、そういう事実はどうやらあったらしい。
また、調べてみると、確かに1951年のサンフランシスコ講和条約では日本は樺太・千島を放棄すると言い、その年の国会で、外務省の担当者が「南千島(択捉・国後)は(放棄した)千島列島に含まれる」と言っているのです。
だけど、いろいろ納得がいかない。そういうことなら、誰が一体「北方領土」「北方四島」「固有の領土」「不法占拠」などと言いだしたのか。
これは1956年のことらしい。日ソ共同宣言が署名されるにあたって、冷戦状態にあったアメリカのダレス国務長官が「四島を要求しないと沖縄を返還しない」と恫喝した。領土問題があれば、日本とソ連が仲良くすることはない。そして、それまで「南千島」と「歯舞・色丹」と言っていたものを、1956年の3月外務省の下田武三条約局長が「北方領土」という言い方を初めてした。1962年に衆参両院で「日本固有の北方領土回復に関する決議」が採択されて以降、この「北方領土」という名称が一般化した。それまでは「北方領土」という呼び方はなかったわけだ。
我々はソ連が日ソ中立条約を破って樺太・千島に侵攻したと教わっている。ソ連、ロシアは悪者である。あいつらは法的根拠のなく不法占拠している。そのプロパガンダの元では「戦争して取り返す」というのが正しいと思う。丸山議員は全く正しいと思う。その前提が正しければ。
しかし、実際にはアメリカ・イギリス・ソ連の事前の約束で、「ソ連が参戦してくれれば樺太と千島はソ連領にしよう」というのは、アメリカがソ連に侵攻をけしかけたのだ。そのようにけしかけておいて、いざソ連がそこを領土にすると、日本には「お前は固有の領土と主張しろ」と恫喝する。そしてソ連側には「参戦してくれてありがとう。そこの領土は君たちのものだ。」と言ったわけだ。
日本政府はそのアメリカの恫喝に従って、国民に「ロシアが悪いのだ」と散々に叩き込んで、いざそれを学んだ若い人が「戦争をして取り返そう」というとつるし上げる。
ということは、憎むべき相手はアメリカなんじゃないか。目の前で銃をぶっ放しているのはソ連兵なのだから、そりゃ現地にいた人はソ連の連中が憎かったのかもしれないが、彼らに「やっちまいな」と言ったのはルーズベルトだったわけだ。中東で起こっている争いなんかと、基本的な構図は同じなわけで、日本もロシアもババを引いたというのが本当のところなのだと思う。
初めて聞きました!それならロシアと日本の言い分・・というかテンションが違っていても当然ですよね。
幼いころから父に「ロシア 野蛮国」と節つきで教え込まれました・・。
が、悪の根源はアメリカなのだ、というのは最近すごく感じます。
冷戦勃発でアメリカのスタンスが変わったせいで日本も翻弄され続けていまに至ることを最近本で読みました。
すべてはアメリカ様の御都合・・・。
あめさん、こんにちわ。
私も初めて聞いた時はびっくりしました。
仮に北方四島の主張に何らかの正統性があるにせよ、その主張はいわば作られたものということになるからです。