前にも一度批判したことがある。8マスオセロです。もしその漢字を全部当てられると仮定するならば、後攻が必ず勝つことができる。数学的に証明されている。そこまで偏った勝負を、頭のいい東大生が受け入れているのはなぜなのか。よほど報酬が大きいのか。見掛け倒しで東大はアホなのか。
母がクイズ番組が好きらしくて、いろいろなクイズ番組を見ている。先日の東大王では8マスオセロで難しい漢字の読み方をやっていた。
そこで、水上さんですか、チームで参戦して、難しい漢字が答えられなくて芸能人チームに負けておられました。
しかし、疑問があるわけですよ。
以前ほかの番組を見ていて、この水上さんという方は、本当に頭がいい方だと私は認識していました。なんか、月までなんかしたときの時間がどうとか、とてつもなく難しい計算をささっとやったりするわけですよ。
そういう人が、ひたすらテレビでクイズをやってレギュラー出演なんかやってていいの?東大って暇なの?
同じ日のニュースでベルギーかどこかの大学を9歳の秀才が卒業したというのをやっていました。彼は薬を与えた時の脳の反応を再現するチップを製作していて、薬を被験者に試すより安全にその結果がわかるなどと言っていました。この子は本当にあたまがよかったのでしょうが、確かに頭のいい方が時々おられます。
思うにこのベルギーの・・・どうも話している感じでは家はドイツ語を話しているようでしたが・・・子供さんは、漢字なんか覚える必要はないわけです。アルファベットと、ドイツ語ならウムラウトがあるでしょうが、いずれにしても30文字ぐらいを知っていれば、後はその文字で構成される概念を突き詰めてそのチップを作ればよかったのだろうと思う。
そう考えてみると、西洋人の天才が持つ知識は基本的に東大の人が持つ知識と質が違うように思う。漢字や同類異義語みたいなことに彼らは注力しなくていい。文字が読める、会話ができるところまでは掃除婦も大学生も同じだ。その差異は、ひたすらその難しいロジックに注入されてよい。
一方、日本を代表する知性みたいな人が、クイズ番組に出て、外国の食べ物の音に合わせてつけられたややこしい漢字を覚えて芸能人と競っている。
おかしくないですか?
それで、思わず「しかし、なんでこの人たちはこんな番組に出てるんだろうね」と口走ってしまうと、なんと母も「それ、私も最初から思っていたの」だって。思うとったんかい!
クイズ番組なんて言うものは、その正解を考える人がいるんです。その正解は、逆説的だけれど、みんなが知っているからこそ、正解として成り立つ。
誰も知らないことを知っていても、それはクイズにならない。それが正解であることを視聴者とか周りで見ている人がわからないから。
自分自身、出演している東大生さんより速く答えられる時がありますよ。「この偉人は誰でしょう」みたいなやつが出た時に、最初から「その時代の東洋人でみんな知ってるのはガンジーか周恩来ぐらいしかいないだろ?」みたいな予測がついてしまうことがある。○○村の町長みたいな人はクイズ番組には出題できないんです。
そして、東大を出た人なんて言うのは、誰も知らないことを研究しているべきだと思いますね。狭き門から入るべき。クイズ番組には出せないようなことをやってなきゃ、意味がない。
占星術もそうしたものの一つです。人々はそれを拒否して、迷信扱いする。たまにそれを使って未来を言い当てると、どうやって当てたのか人々は分からずに、やれトリックだコールドリーディングだなどと騒ぎ始める。それではダメだよね。ちょっと勉強したら?