にほんブログ村 その他趣味ブログ 占いへ 2023占星術カレンダー

サンタは何者?

サンタクロースは・・・一通りの説明がある。もとは小アジアミラの主教奇蹟者聖ニコライ、聖ニコラオスで、子供や船乗りの守護聖人であると言われている。彼が売春婦として売られようとしていた娘を金貨を投げ込んで救ったのがそもそもの始まりだとか。

しかし、ギリシャではサンタクロースはΆι Βασίλης(アイ・ヴァシリス)と呼ばれ、正月にやってくる。そもそもΒασίλης(ヴァシリス)である。聖大ワシリイ、聖大ヴァシレイオス、カッパドキアの師父である。ニコラオスより少し後に出てくる聖人である。聖大ワシリイが13歳の時に、聖ニコライは没している。

サンタクロースのWikipediaを見て、そのギリシャ語のページを見ると、ギリシャ語のWikipediaではそもそもサンタクロースはアイ・ヴァシリスになっている。自分はワシリイだと聞いたから、祭服も別段赤ではないのではないかと思ったりしたのだが、まるで挿絵は西洋のサンタクロースだ。ニュースでも赤いジャンバーのサンタクロースをギリシャ人はそのままアイ・ヴァシリスと呼んでいる。
Wikipediaの説明は「アイ・ヴァシリスは、正教徒にとっては聖大ヴァシレイオスであるが、西側では聖ニコラオスだと言われている」とか、我々が日本で聞く常識とは全く違うことが書いてある。

同じ正教圏でロシアならどうなのかというと、娘さんを連れた極寒おじいさん(ジェット・マロース)というのがいて、この人がサンタクロースと認識されている。この人の服は青い。ロシアの人に聞いてみると、聖ニコラオスと無関係ではないかもしれない、みたいなあいまいな返事だった。自分が知っている限り、サンタクロースが聖大ワシリイだといっているのはギリシャ人だけのようだ。

 

我々のよくない所なのだが、かつてあったものが、ま・っ・す・ぐ・に、我々に伝わっていると思っていることがよくある。イエスキリストが来て、キリスト教ができて、ま・っ・す・ぐ・に、今我々は聖書を受け取っているのだ、みたいに多くの人が考える。
しかし、当の聖書、使徒行伝にはそんなことはちっとも書いてない。キリストは使徒を選び、彼らに聖霊が降りて諸国の言葉で語り始めて教会が発足した。
聖書は?その間散々紆余曲折があり、16世紀にやっとマルチンルターが「聖書のみ」と言い始め、今我々が見るキリスト教が18世紀から19世紀ごろに多分アメリカで確立した?そうなのだ。当初の教会にハロウィーンのかぼちゃなんかありはしない。ペテロのお弟子さんが福音を書き始めたかもしれないのは、主がお亡くなりになって30年もあとのこと、正式に教会に採用されたのはもっともっと後のことだ。
十字架もそうだ。十字架はキリストから、ま・っ・す・ぐ・に、伝わったわけではない。キリスト教が広まったときに、それはすでに伝説になってしまっており、本当のことかどうかは分からなくなっていて、何も証拠はなかった。しかし、東ローマの皇太后の聖ヘレナが、散々苦労をしてその場所を突き止め、該当の十字架を掘り起こした。十字架は新たな教会のシンボルになったわけだ。
その十字架はその後も数奇な運命をたどり、カトリックの十字軍の侵略によって失われてしまった。そして、プロテスタントは十字架を飾ることすら否定し、エホバの証人のように「実はあれは杭だった」などと言い出す連中も出てくる始末である。

それでも日本人は「我々はキリストから、ま・っ・す・ぐ・に、キリスト教を受け取っている」と考えてしまうのだ。

サンタクロースも、多分そうしたものの一つなのだと思う。聖ニコラオスは西暦330年に亡くなっている。1700年前だ。そして、我々は聞く。「1821年、トナカイがそりを引くサンタクロースの絵が絵本に描かれた・・・」
1500年間も開いている。
開きすぎだ。その間、散々天地もひっくり返るほどの出来事が繰り返し起こっているのだ。ま・っ・す・ぐ・に伝わっているわけがない。
その間、サンタクロースはいったいどうしていたのか。聖人としてニコラオスに対する崇敬は存在していた。間違いない。実際、ギリシャ人やロシア人にとってニコラオスのイコンはなじみ深いものだ。今でも航空機のパイロットや船の船長さんが、操縦室にニコラオスのイコンを飾っている。
しかしそれは「サンタクロース」なのか。イコンでは全く主教の祭服を着て、帽子などかぶっておらず、少しいかめしく、しかし優しく我々を祝福しているだけである。

 

その後、ある国では聖ニコラオス(サンタクロース)だといい、ある国ではヴァシレイオスだといい、ある国では冬のおじいさんで娘さん連れでやってくる、なぞのおじいさんが出現する。

そうすると、ひょっとすると聖ニコラオスやキリスト教とは全く関係のない、そういう人物像が18世紀ごろ別途求められていたのではないか。実はサンタクロースはなまはげなのではないか、とか。そういう勘繰りもしたくなりますね。

ま、もし可能なら、誰かにプレゼントはしようじゃないですか。サンタはなくてもいいかもな。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください