農協から、お米の買取価格の表が届いた。
この辺は水温が高いので、一生懸命作ってもコシヒカリは二等にしかならない。コシヒカリが一等になるためには低い水温が必要なのです。それで、1袋30kg当たりの買取価格は5,500円になる。
一方雲南市の農作業の標準料金表はこのようになる。
さて、全国平均の一反当たりの収量は535kgぐらい。540kgだと、30kg×18袋の収量になる。自分が付くている感じだととても18袋にはならない。16袋がせいぜいだと思う。これは出雲平野のように低い土地で作ると20袋以上になるのである。しかし、山間地で作れば14袋がせいぜいのところもある。ただ、こうした山の中のお米はおいしいといわれている。
さて、これでお米の原価が計算できると思う。自分がざっとしてみるとこんな感じです。
18袋ベース | 16袋ベース | |
田起こし | 7,500 | 7,500 |
代掻き | 8,990 | 8,990 |
苗(20) | 16,800 | 16,800 |
田植え | 8,430 | 8,430 |
コンバイン | 20,930 | 20,930 |
乾燥 | 16,200 | 15,400 |
もみすり | 9,360 | 8,320 |
農薬・肥料(およそ) | 10,000 | 10,000 |
合計 | 98,210 | 96,370 |
販売 | 99,000 | 88,000 |
収益 | 790 | -8,370 |
実際には、私は農協へは販売していません。ハデを作ったり小屋を作ったり機械が必要だったりするかわりにコンバイン代はいらなかったりします。原価は多少違うし、販売も12000円で販売させていただいています。
だけど、初めてコメ作りに挑戦する人は、農協に出すなら必ず赤字になるんです。
このことを皆さん、知っていてほしい。
実際の兼業農家は、何かの職業を別に持っています。人によっては県庁や市役所や病院、学校に努める公務員かもしれません。あるいは大工さん、あるいはお菓子屋さん、別の商売をなさっているかもしれない。だから、田起こしとか田植えとか、どうしても自分の家で食べる分だけ、誰かに依頼するという形になる。しかし、それは農協に出せば必ず赤になる。
多分、コメを買えば、美味しさは別として、もっと安く買える。市役所にでも務めていれば結構な給料がもらえますから、田んぼを放棄しても当然です。
こうして、雲南市のような片田舎では、累々と耕作放棄地が広がっています。
今年、ウクライナであのような問題が起こった。そうでなくても、インドは不作で小麦の輸出は行わないし、カナダも小麦が振るわない。世界で食糧難が予想され、サウジアラビアや西アフリカに並んで日本は食糧がない国に数えられています。
でも、これはなんかおかしいんですよ。大変だけど、あそこの土地をちょっと耕せば、自分で食べる分の食糧は確保できるはず。国民の人数だって減っている。
なのでこれは問題提起しておきたいと思います。