身内がキャストとして参加していることもあり、当方で広告を出していたこともあり、美保関町七類港のメテオプラザで行われた
を見に行ってきました。
この話は1991年に斐川町の小学六年であった坪田愛華さんという方が、学校の宿題で環境問題を得意の漫画で表現したものです。ところがこの坪田さんはこの本を完成後数時間後脳内出血でこの世を去りました。
話の概要は大体こういうものです。地球を汚そうとする妖怪たちが地球を乗っ取ろうとしている。彼らの考えでは地球は汚れれば汚れるほど高く売れる。ところが、人間たちも気が付かないうちに地球を汚染していて、妖怪に加担している。競売人のジョーは、地球を何とか高く売ろうとする一方、地球人に対してはもう少しきれいにすれば手遅れではないとささやく側面も持っている。
何も知らない子供たちは、遊んでいるが、そのなかで主人公のあいちゃんは地球の秘密に気が付き、大事にしなければならないと訴える。あいちゃんは自分の知ったことを世界に伝えるために本を書くことに決める。
この様子を見ていた妖怪の首領は、あいちゃんが真実に気付いたことを恐れ、死神を遣わす。あいちゃんは本を完成するのだが、その後死神の放った矢があいちゃんにあたり、あいちゃんは死んでしまう。
子供たちはあいちゃんの遺志を受け継ぎ、地球をきれいにしようとするが、妖怪たちがそこに襲い掛かる。そこで競売人のジョーは「まだ手遅れではない」と子供たちに語り掛ける。この様子を見ていた妖怪の首領はジョーを許すことができず、ナイフを投げてジョーを殺してしまう。
しかし、あいちゃんとジョーを失った子供たちは、地球をきれいにする力を発揮して妖怪たちをやっつけてしまう。
ざっとこんな話でした。
自分がびっくりしたのは、劇の中であいちゃんとジョーが死んでしまうこと。普通戯曲の中で登場人物は簡単に死なない。やっぱりウルトラマンが死ぬのは最終回でしょ。そしてウルトラマンは死んでもまるでそんなことはなかったように生きて活躍する。ところがあいちゃんやジョーは簡単に死んでしまうのです。
そして、この本を書き上げた坪田さんも同じように死んでしまった。もし坪田さんがそのまま生きていたら、この話はこれほど有名にはならなかったかもしれない。
ここにはまるで坪田さんが自分の運命を感じ取っていたかのような不思議を感じる。
自分が子供のころ、「将来何になりたい?」と聞かれ、即座に「ウルトラマン!」と答えた子がいた。
普通なら「宇宙飛行士」とか「サッカー選手」、「お医者さん」などと答えるのではないかと思うし、それになるためには彼がすべき具体的な何かが存在する。たとえばサッカー選手なら、強豪中学、強豪高校に進んだり、地元のクラブに入るのも手だろう。
しかし、ウルトラマンは、いや、確かに崇高な目的ではあるものの、それに対して努力する具体的な何かがない。
後で聞いたのだが、残念ながらこの答をした子は海難事故でお亡くなりになったらしい。
しかし、それで、やはり人間は自分の運勢というものはひょっとしたら漠然とわかっているのかもしれないと思った。
あいと地球と競売人。一度見てもいいかもしれない。
斐川文化会館の公演を観ました。
キャストの方、スタッフの方、関係者の方の熱意が実って、全公演無事完走してよかったです。
『千年の読書』で「書物は読まれるたびに変容する...過去に書かれた書物は書かれた当初より豊かになる」という趣旨のことが書いているのはこのことかなと思いました。愛華さんの『地球の秘密』は関わった人々に影響を与えて、それが1年に1ミリでも積み重なると、私たちはより大きな新しい領域に生きられると思います。
これは、私にとっては、神様からのクリスマスプレゼントです。
管理人さまは、ほんとうはサンタクロースです。
マリヤさん、こんにちわ。
ま、私は褒めないで・・・
でも、確かに年月を経るにしたがって、この話は新しい領域が開けているのかもしれません。
斐川公演をご覧になったということで、よかったと思います。