自分のYouTubeちゃんねるに何回か『怪奇大作戦 20話 「殺人回路」』という、美しいお姉さんが弓矢を引いているアイコンが出てくる。
怪奇大作戦、ご存じない方もいるかもしれない。自分もあんまり覚えていない。
ウルトラマン、確か1966年ごろの番組だと思う。これに先立つ「ウルトラQ」という番組があった。人間がいろいろ工夫して怪獣と戦う番組で、これのいわば切り札としてウルトラマンという人間に味方する宇宙人が登場したのだった。これに引き続いてウルトラセブンがあり、これで一旦ウルトラシリーズは終わり、次の番組が始まった。帰ってきたウルトラマンが放映されたのは数年後のことだ。
このウルトラセブンと帰ってきたウルトラマンの間に放映されたのが「怪奇大作戦」だ。自分は殺人やモノを燃やす黒い粉の番組を少し覚えていて、最後犯人が咳をしてしまうとこの粉が舞い上がり、犯人が死亡してお寺が焼け落ちるところを覚えている。なかなか科学的な内容なのだけれど、科学的なつじつまということでは、今見るとちょっと端折ったところもある。
それで、ちょっと見てみてのだけれど、内容が面白くて、あそこはどうなってるの、ここは?と前後しているうちに、結局初めから全部見てしまった。
ある会社はコンピュータを経営に使っており、次の仕入れ先とか、有力人材などをコンピュータに聞いている。社長は一代で富を築いた凄腕の社長だったが、長男に専務をさせたところ、長男はコンピュータを使って好き勝手をするようになった。
ある日息子と言い争った後、社長室に腰かけると、社長の後ろに飾ってあるギリシャ神話の弓矢を持ったダイアナという女神の絵の中からダイアナが抜け出し、社長に向かって弓を引いた。社長は原因不明の心臓病で死んでしまう。
たまたまSRI、科学特別捜査隊か何かといってこの物語の主人公の役目をする組織であるが、このSRIの社長とこの会社のえらいさんが同期で、このえらいさんが同期の所長に向かって、社長の死後自分が閑職に飛ばされたこと、ダイアナの幽霊を見たことを相談する。
所長さんはダイアナの幽霊を見たいと思いこの会社に潜入するが、ちょうどこのダイアナが出現し、プログラマを殺すところに居合わせてしまう。
実はこのダイアナはコンピュータによって操作されていて、プログラムの答えを絵や言葉にして表すプログラムCRTによるものだった。ダイアナを操っていた長男は、逆にSRIが操るダイアナによって自分の悪事を白状してしまう。電源を切られた絵はいくつかの数字を表示した後、白いディスプレイに戻ってしまう。
今私たちは、液晶モニターとか、ワンピースのウタとかを知っているから、このダイアナを見たときに古い時代のものだということは一目瞭然だ。この絵のディスプレイにしても、「いや、こんなのあるわけないだろ」と思うかもしれない。
にもかかわらず、この怪奇大作戦がとても新しいテーマを扱っていたことに驚いた。
いまならChatGPT、シリ、Alexa、にたようなコンピュータシステムはいろいろあり、これを題材にした映画も作られている。でも、これ、およそ60年前の映像だよ?