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なるほど、書いた人は・・・

昨日は、テレビで「かぐや姫の物語」をやっているのを知らなくて、9時ごろになってふと見たらそうだった。途中からしかわからないわけだが・・・

 

作品としては全体に平板だったと思う。要するに我々が慣れ親しんだかぐや姫なのだ。ただ、月に帰りたいと思ったきっかけが男の乱暴な求愛だった、という脚色とか、もともと月にいた人がいたとか、幼い時の友達に再開するとか、細かい動機づけが違う。しかし、基本的な話は元の竹取物語を踏襲している。

絵は確かにああゆう和風テイストのCGというのは面白くきれいだけど、だからといって、すごくインパクトがあるとは思わなかった。たとえば背景が白いところとか、間が持たないみたいな感じに見えた。

 

ただ、その細かい動機づけ、それはなるほどとは思った。

昔の人が書いたいわば「荒唐無稽な物語」というのは、書き手の側に重要な動機がある。

それって、夢と一緒なの。夢は荒唐無稽に見えるけれども、鮮やかな夢というのはきっとその人の感情に何かの原因がある。

万葉集の最初の歌で、「籠もよ、み籠もち、ふぐしもよ、みふぐしもち」という天皇の求愛の歌がある。「のらさね、いえきかな(名前を仰い、家はどこだ)」ということなのだけれど、天皇に名前を名乗ってしまうということは、求愛を受け入れるということを意味する。肩を叩かれれば、逆らうわけにはいかない時代だったのだろう。

そうすると、女性の側には「ああ、こんなのイヤだ」みたいな感情があったのかもしれない。多分竹取物語を書いた人、読んで共感した人にも、そういう気持ちがあったのかもしれない。

なるほど、書いた人は・・・」への2件のフィードバック

  1. 匿名

    どうも、ネコです。
    「かぐや姫」観ました。
    なにげなくテレビを点けたらやっていたので観ました。
    映像、綺麗でした。
    昔から言われる「子供は、3歳までに親孝行を果たす」、という
    ことを思い起こすようなしみじみとしたお話でした。
    確かに、仰るとおり、画像の背景が白い和風テイストであり
    綺麗で情緒のあるものであったけれど、
    やはり長い!「間がもたないみたいな感じ」同感です。
    昨今の早いペースのドラマやサスペンスストーリーに
    馴らされてしまっているのか?
    私が最近のテンポの速さに馴らされてしまった結果か?
    果ては、高齢ゆえに辛抱が出来なくなり待てなくなったのか?
    (逆のようですが、歳をとると結構結果を急ぐようになります。
    待てなくなる、持久力が無くなります、当方体験済み、、笑)
    荒唐無稽な夢ですか?ここで質問です。
    この仰られる「夢」は未来への願望の夢ですか?
    それとも睡眠中の「夢」のことでしょうか?
    多分、願望の夢ですよね。

    返信
    1. simpledirect 投稿作成者

      ネコさん、こんばんわ。

      「夢」は睡眠中の夢のことです。
      私はかぐや姫のほかには、浦島太郎を考えていました。
      他にも荒唐無稽な昔話はあるのだけれど、ほとんどはいわゆる教訓話です。舌切り雀とか、おむすびころりんとか。
      しかし、かぐや姫、浦島太郎などは教訓話では説明がつきません。

      これは我々が夜見る夢に似ています。
      夜中に見る夢は、知り合いの人物が出てきて、突然場所が家から学校に変わったり、支離滅裂なことが多い。そうでない人もいますが、それはその人の精神状態によります。普通は一見おかしな風に話が流れ、起きている間には経験しないようないろいろなことが起こります。
      にもかかわらず、記憶に残るような夢の幾つかが、起きている間の出来事や感情を反映しています。
      ある人は何か得体のしれない恐ろしいものに追われていて、突然安心できる場所に出たりするかもしれない。そういう場合、たとえば仕事で何かに追われているけれども、特別なほっこりできる場所があるとか、そういうことを表していることがある。

      現実の感情を何か昇華したり単純化した形で反映するという点で、夢と昔話は似ていると思います。

      返信

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