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自動翻訳の難しさ

最近はネットで自動で翻訳してくれる機能などがあって、利用するケースもある。大手サイトでは日本語からの利用の多いメジャーな言語、英語、中国語、韓国語などが中心だが、ギリシャ語など多くのほかのについても“I love translation”というサイトがあって、使うことがある。

しかし、どうも日本語からギリシャ語に直接翻訳するとピンとする訳が出てこないことがある。逆さも言える。なんとなく不自然な翻訳が出てきたときは、一旦英語に翻訳してみると、なぜそのように翻訳されたのかがわかることがある。つまり、このサイトは、翻訳文例の多い、日英・英希の例を使って翻訳をしているのかもしれない。

というのは、たとえば「田中さんは走った」みたいな訳をすると、翻訳文の一つに

Ο Κος τανάκα έφυγε

みたいなのが出てきた。 Οは冠詞でΚοςはキリオスの略語、つまり「さん」にあたる。問題はέφυγεエフィゲで、これは逃げたという意味である。英語でI ranという言葉をいったん介しているから、ranが走ったという意味か逃げたという意味か混乱したわけだが、日本語から直接ギリシャ語に翻訳したらこんな問題は起こらないはずなのです。

 

いろいろ考えていると、とても難しい問題があるように思えてきた。

 

日本語の場合、たとえば「田中さんは」と出てくれば、「は」という助詞から、ほぼ田中さんが主語であることがわかる。ギリシャ語の場合ο κος τανάκαと書くと、主格の冠詞があるから、主語だと分かる。しかし、英語のMr. Tanakaには主語であるか目的語であるかを判断する変化はない。

英語の場合は、動詞や形容詞や名詞が、同じ単語で表されることが多い。たとえばlockというのは錠前・鍵という名詞でもあるし、錠をおろす、鍵をかけるというのもlockである。lockという単語が「鍵が」なのか「鍵を」なのか「誰かが鍵をする」なのかわからないのである。

しかし、ギリシャ語では κλειδί(クリジ)は鍵でκλειδώνω(クリゾーノ)は「私は鍵をかける」という動詞でしかも人称や時制で活用するから、単語だけちらっと聞いてそれが動詞なのか名詞なのか、動詞なら私が鍵をかけようとしているのか彼らがすでに鍵をかけたのか判断できる。

日本語の場合は「鍵をする」といえばそれは「lock」ではあるが、動詞で訳されるべき表現、ギリシャ語でいうとκλειδώνωにあたる表現だと分かる。人称はわからないが、英語よりは短い表現で限定されることが多い。

だから、もし日本語からギリシャ語へ直接翻訳するロジックがあるなら、英語を介するより格段に精度は上がるはずなのだ。

 

こうしたことは各言語によってかなり違うと思う。だから多数の言語について一般的な自動翻訳を用意するというのは、実はかなり無理があるように思える。素晴らしい自動翻訳ソフトができました!という人がいて・・・いや、昨日何かそのようなニュースが流れていたのだが・・・作った人は素晴らしいものを作ったと思い労力もかかったのだろうが「あんた、それ、本当にちゃんと反映しているのか?」ということはかなり吟味をする必要があると思うのだ。

簡単に言えば、英語だけ、英語中心、みたいな考えでは、とてもじゃないけど満足するようなものはできないと思うんです。どうしてもそこで英語で考える人は英語を中心に「こう訳せばいい」みたいに思ってしまっているのではないだろうか。

では詳しくすれば解決するのか?つまり、ある単語が発せられたときに、それが動詞なのか、三人称なのか、現在なのか、名詞で主語なのか目的語なのかといったことを意味的に持たせてしまって、その詳しい解釈をもとにほかの言語に訳せばいいのだろうか?しかし、逆にあいまいな場合そもそも最初の解釈が間違ってしまう可能性がある。日本語で「ほら、走ってる」みたいな表現をしたときに「誰が」というのは字面の上では解釈の余地が残ってしまうのです。

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