地域で障壁がある、ということは重要なことだと思う。
いま電力の自由化のことが取り上げられている。あるいはTPPの問題がある。
前に航空会社で規制緩和・自由化が行われた。それまでJAL、ANA、JASの三社体制だったものが一気に崩れて、ANA一社を残してJASは統合されJALは倒産した。結局国が面倒を見てやって何とか持ちなおった。タクシーやバスも規制緩和が行われた。その結果業界が発展したか?いやむしろ寡占化が進んだのではないか?
車もいま寡占化していますね。昔は自動車会社はたくさんありました。今はいくつかの系列にまとまっていて、さらに外資が来ています。
銀行もそうですね。昔は地域ごとにいっぱい銀行があった。どんどん統合されて一部の大銀行だけ残った。
もし、地域の差がなくて、完全な自由化・自由競争が行われると寡占化が進む、と思う。
たとえば消費税率を突然あげたとする。すると全国一斉にあげてしまうと、それまで使っていた経理関係のソフトとかレジ製品などを改めなければならない。いち早く対応できた一部の企業に発注が集中する。その結果寡占化が進み、消費者や労働者にしわ寄せが来ると思う。
しかし、もし地域ごとに税率が違っていたらどうか。東海地方は8%で中国地方は7%、四国は食品だけ税率が違うとかエリアごとにニーズが違っていたら?そうすると東海で製品を作っていたところがただちに中国地方や四国地方に製品を売り込むことができない。中国地方でもソフト関係の雇用が必要になり、四国地方では別の雇用が必要になる。
いまの特許や著作権の問題もそう。
もし地域ごとに別々だったら。国ごとにたとえば戦争状態にあったら。ドイツ軍がジェット機を開発した、その場合ドイツに特許があるから連合国はジェット機を開発してはいけない、ということはできない。そうするとそれぞれの国で別々に技術者が必要になり研究が必要になる。ディズニーはドイツ軍の戦闘機にミッキーマウスが描かれるのを止めることができないはず。
アメリカやカナダは貿易の自由化がどうこういってはいるけれども、州ごとに制度はずいぶん違う。ブリティッシュコロンビア州とアルバータ州では税金が現実に違っている。
日本ももっと地域に権限がある状態で自由化しなければ、一般の人の生活は上向かないと思うな。