一応エレクショナルの看板は出しているものの、あまり頼んだ人はいない。今まで占断した例も数件ぐらいしかない。
エレクショナル占星術というのは、新装開店だとか、結婚だとか、引っ越しだとか、何かのイベントに適した時間を選ぶ占断方法である。
自分でやりながらこんなことを言うのも何なのだけれど、自分も完全に信じ切ってはいない。というか、多分その通りにはなっているのだろうが、たくさんある指標のうちどれが一番適しているのか、細かいことがわからないのです。
何かを始めるにあたって、たいていかなり制約がある。欠ける月より満ちる月がいい。月のスクエアを嫌う。ボイドはダメ。この星は上昇が望ましく、この星はアンギュラーにない方がいい。それをみていくと、依頼者がだれであっても選べる日付・時間は非常に限られてしまうことになる。
それらを満たすごくわずかな時間の間に、都内で一斉に結婚式が行われる!?
そりゃ合同結婚式じゃないか・・・
実際にはもっといろいろな時間に結婚する人がいて、様々なトラブルを抱えながらも幸せになっている人は幸せになっていると思う。
それが当たらないとは言わない。当たっているのだと思う。だが、すべてを満たす時間など存在しないと考えたほうがいいだろう。
「月は欠けていく月だ。アンギュラーに天王星があるから変化はやむを得ない。だが、ASCとその支配星の配置は完璧だ」みたいな、それが良かったということが普通だと思うのです。
しかし、最近、ひょっとしてエレクショナルチャートは大変な効力があるかもしれないとも思う。
8年前、大阪に引っ越すエレクショナルチャートを作った。前のブログにそのことは記録されている。その時間を選択してあの部屋に入り、そこで引っ越した証にそこでコーヒーを入れて飲んだ。
そしてその時間が暗示したことが・・・実際に起こって・・・いまだに続いている。
そう、もしあの時思い付きで引っ越していて、その引っ越した時間が表す現象がそれと違っていたなら、今の人生は変わっていたかもしれない。
多分、エレクショナルチャートを作ったからと言って、破産する人は破産し、離婚する人は離婚し、リストラされる人はリストラされ、病気になる人は病気になり、事故に遭う人は事故に遭うかもしれない。彼のカルマは彼が安易にそこから逃れることを許さないかもしれない。
だが、もしその破局的な状況が避けられなかったとしても、そのときにあなたの周りのひとりの人と喧嘩せずに済んだとか、手続きで弁護士や裁判官に悪い印象を持たれなかったとか、自動車にはぶつかって入院はしたもののくも膜下出血のようなことはなくて右腕の打撲ですんだとか、その小さな一つがあなたの次のステップを可能にするかもしれないじゃないか。その不幸な状況の中で破滅的な衝突を回避し、「まあ、いろいろあったけど、なんとかかんとかあいつはうまくやってるじゃないか」ということになるのではないかと思うのです。
面倒くさいのは、一度選択について、その結果がわかるのは、およそ人生をかけなければならないということ。だって、実際どうなったかがわかるのが、10年後、20年後かもしれないじゃないか。
だけど、これはもしできるならやってみるべきだろうと思う。大きなイベントの時は、ね。