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脳みそをドライヤーで焼く

ギリシャ語で脳はεγκέφαλος(エンゲファロス)です。κεφάλι(ケファリ)が頭で、頭の中にあるということでεγκέφαλοςということになる。

 

記憶をなくした海斗君の家に行って、掃除をしていて服が濡れてしまい風呂に入っていると突然海斗君が家にやってきた。裸のるちあさんが干してある服を取ってくれというと、海斗君は突然服を脱ぎ始め、突然のことにるちあさんは大慌てする。何をするかと思うと、乾いてないからこれを着れよ、と自分の服を投げてよこす。

この場面で日本語では「心臓爆発しそうだよ」と言っているけど、ギリシャ語では

νομίζω πως θα πάθω εγκεφαλικό. (ノミゾ・ポース・サ・パソ・エンゲファリコ)と言っている。

エンゲファリコは文字通りには「脳みその」ということになるが、脳卒中、脳梗塞のようなものを患うよ、と言っていることになる。

 

昨日はまた違う表現に出会った。南の離島でサーフィン大会が開かれるときに海斗君はライバルの崎谷君にあうわけだが、崎谷君は優勝したらるちあからキスしてもらうと海斗に言う。

海斗君はるちあさんが日本にいるものだと思っているので「なにいってんだ、あいつは」と言っているが対応するギリシャ語の表現では

από τη φαίνεται πολύ το έκαψε με το πιστολάκι το εγκέφαλο (アポ・ティ・フェーネテ・ポリ・ト・エカプセ・メ・ト・ピストラーキ・ト・エンゲファロ)

と言っている。ピストラーキはピストルから派生した言葉だろうと思うが、要するにドライヤーのこと。「あの様子ではドライヤーで脳みそまで焼いてしまったみたいだな」というような表現になる。

 

脳をドライヤーで焼いてしまう、という表現は「なにいってんだ、頭おかしいんじゃないか」みたいな意味でギリシャ語ではたくさん使われているみたい。だが、英語なんかで該当の表現があるかと思って調べてみるとないみたいです。ギリシャでの慣用表現なのだろう。

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